IBMが掲げる持続可能な都市づくりの新戦略、AIでレジリエンスを強化

IBMが推進する持続可能な都市構築プロジェクト



IBMは、持続可能な社会貢献プログラム「IBMサステナビリティー・アクセラレーター」の一環として、新たに五つのプロジェクトを発表しました。これらのプロジェクトは、都市のレジリエンスを強化し、持続可能な開発目標(SDGs)にシフトすることを目指しています。

特に注目すべきは、2024年初頭に開始されるプロジェクト提案募集で、都市をより安全で持続可能にすることを目的としています。100以上の応募の中から選ばれた五つの団体が、地域社会の課題に対するAIソリューションの開発に取り組むことになります。選考基準は、AI技術を活用した革新的なアプローチや地域社会への貢献が重視されました。

プロジェクトの概要



1. C40 Cities: 世界の約100都市の市長から構成されるC40 Citiesは、猛暑やヒートアイランド現象による潜在リスクをデータ駆動型AIで分析するプロジェクトを実施します。これにより、都市は適応戦略を策定し、国民の健康リスクや経済的な負担を軽減することを目指します。国際的な気候エネルギーに関する協定とも連携し、より広範な取り組みが期待されています。

2. 国連世界食糧計画(WFP): IBMは、WFP USAと協力して、緊急時の人道支援を向上させるための地理空間ツール「GeoTar」をAIとデータ機能で強化します。これにより、干ばつや洪水による食糧不足を軽減し、世界の食料安全保障を改善することを目指します。

3. Mass General Brigham: 医療現場では、猛暑によるリスクを予測するAIツールを共同開発します。このツールは、患者の健康状態に基づいて適切な警告を発信し、治療の迅速な決定を促します。

4. Janaagraha Centre for Citizenship and Democracy: インド政府と協力して、都市のデータを統合するプラットフォームの構築を目指します。これにより、市民生活の質を向上させるためのデータ駆動型政策決定が可能になります。

5. Kota Kita: インドネシアのサマリンダ市での気候ストレスへの対応を目的に新しいAIモデルを開発。自然災害や経済的要因を考慮したプロジェクトの実施が計画されています。

IBMサステナビリティー・アクセラレーターの役割



IBMサステナビリティー・アクセラレーターは、AIやハイブリッドクラウド技術を活用し、非営利団体や政府組織のイニシアチブの強化を目的としています。プログラムは2つのフェーズで進行し、最初はデジタル・トランスフォーメーション(DX)の加速が行われます。これにより、実質的な成果を生むことを目指します。特に、EYとの協力により、都市のレジリエンスを強化するための能力開発ワークショップやコーチングを提供するなど、より具体的なサポートが行われます。

未来に向けた IBMのビジョン



IBMは、AIを活用することで、さまざまな社会問題に立ち向かい、より良い生活環境をつくり出すことに自信を持っています。今年までに、20の団体が参加しており、2030年までに約4,500万ドルの資金を拠出して、持続可能な開発に貢献していきます。特に、既存のプロジェクトによって、健康や環境問題に配慮した社会を構築する取り組みが強化されています。

新たな「持続可能な消費と生産のためのAI」プロジェクトは、2025年4月30日まで提案を受け付けています。これにより、IBMのビジョンはさらに具現化され、将来に向けた持続可能な都市づくりへの貢献が期待されています。

会社情報

会社名
日本アイ・ビー・エム株式会社
住所
東京都港区虎ノ門二丁目6番1号 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
電話番号
03-6667-1111

トピックス(地域情報)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。