廃繊維を利用した新しいリサイクル染料「EnzyBlue」
2025年10月、長瀬産業株式会社とその関連企業であるオー・ジー長瀬カラーケミカル株式会社、マイクロバイオファクトリー株式会社は、廃棄デニム繊維や古着からインディゴ染料を抽出し、再利用するリサイクルインディゴ染料「EnzyBlue(エンジーブルー)」を共同で開発しました。この技術は、環境負荷を低減しながら、持続可能な製造サイクルを実現することを目指しています。
近年、ファストファッションの普及により、アパレル業界では廃棄物の問題が深刻化しています。特にデニムは、世界各地で年間20億本も生産される最も一般的な衣類の一つです。その染色に使用される従来の化学合成インディゴ染料は持続可能性の観点から疑問視されてきました。これを解決するため、NAGASEグループおよびMBFは廃繊維に着目し、リサイクルインディゴ染料の開発に挑みました。
画期的な技術
この新しい染料の開発は、MBFが長年の研究により確立した廃繊維から染料を抽出する酵素技術によって可能になりました。これまでリサイクルが難しいとされていたインディゴ染料の抽出ですが、これにより実現が見えてきました。ONCは、この技術を使用して新規再生染料の製造を行い、品質の管理や量産化における専門的なノウハウを持っています。長瀬産業は、染料業界での長い経験を活かし、アパレル業界とのネットワークを駆使してエコフレンドリーなリサイクルインディゴ「EnzyBlue」の事業化に成功しました。「EnzyBlue」という名称は、酵素を意味する「Enzyme」に由来しています。
環境への貢献
NAGASEグループ、ONC、MBFの三社は「EnzyBlue」染料を国内外のアパレルメーカーに展開することで、染色業界の持続可能性を高め、環境への負荷を減らすことを目指しています。また、再利用の取り組みを通じて資源循環の促進、安全で責任ある生産体制を構築していく計画です。
さらに、今後も技術の改善を重ねることで、サステナブルファッションの普及を後押しすることを目指しています。廃繊維から再生された「EnzyBlue」は、未来のファッション標準となる可能性を秘めており、環境に優しい選択肢を提供します。
企業情報
- 本社所在地: 東京都千代田区
- URL:
長瀬産業
- 本社所在地: 大阪市西区
- URL:
ONC
- 本社所在地: 大阪市北区
- URL:
MBF
廃棄物削減とリサイクルの促進が求められる現代において、「EnzyBlue」は新たな道を切り開く革命的な試みと言えるでしょう。この取り組みが広がることによって、ファッションの未来がより持続可能なものになることが期待されます。