ペットビジネスの暗い現実を照らし出す新著
2024年9月6日、朝日文庫から新たに出版された
太田匡彦の「猫を救うのは誰かペットビジネスの『奴隷』たち」が、多くの注目を集めています。本書は、17年間にわたる取材を通じて明らかにされた、ペットビジネスの背後に隠された哀しみと苦しみを描いています。著者は朝日新聞の記者であり、その信念と情熱が込められたこの一冊は、ペット愛好家のみならず、動物の権利に関心を持つすべての人々に強く訴えかけます。
ペットたちの「奴隷」状態
本書では、可愛いペットたちがどのようにして「奴隷」のように扱われているのか、その実態を詳しく探っています。特に、繁殖から小売りに至るまでの過程で毎年約25,000匹の命が失われているという衝撃的な現実が浮き彫りになります。人間の都合で無理な繁殖が行われ、病気を招く交配が行われ、幼い犬や猫が出荷される様子が語られています。
こうしたペットビジネスの暗い側面が、いかにして「かわいい」というイメージの裏に隠されているのかが、太田氏の緻密な取材によって描かれています。
解説者坂上忍が賛同
本書には、著名なタレントで動物愛護活動家でもある
坂上忍による解説も収められています。坂上氏は、太田氏の取材姿勢やその内容に対し評価を寄せており、本書を「教科書レベル」と称しています。ペットを飼うことが当たり前の時代になっている今、私たちが無視してはならない現実が、ここにあります。
ペットビジネスのルールとその変遷
本書は、ペットビジネスの現状に関する事件や法改正の過程も詳述しています。例えば、2012年の法律改正によって生まれたペットの繁殖に関する新たな基準や、2019年には生後8週齢未満の子犬や子猫の取引が禁止されたことが記されており、これらの変化がどのように犬や猫の生活に影響を与えているのかを考察します。
まとめ
太田当匡彦の「猫を救うのは誰かペットビジネスの『奴隷』たち」は、ただの暴露本ではなく、動物と人間の共存の在り方を問い直す貴重な著作です。動物がどのように扱われているのか、私たちがその実態を無視してはいけない理由が、この本を通じて分かるでしょう。ペットを飼っている方、これから飼いたいと思っている方、そして動物が好きな方には、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。