サントリーホールディングス(以下、サントリー)とグリーン・アグリテックスタートアップの株式会社TOWINGは、飲料製造から生じる残渣を活用した高機能バイオ炭の本格的な製造を九州地区で開始することを発表しました。この取り組みは、彼らが2025年5月から進めてきた実証実験を基にしており、製造残渣のアップサイクルとその環境配慮型農業への活用を目的としています。
実証実験では、サントリーの飲料工場から出る製造残渣である茶粕を原材料にし、TOWINGが培養した微生物群を使用してバイオ炭を製造しました。この製品は、サントリーと契約するチャノキ農園に散布され、収穫物の品質を保持しつつ、収量を約30%も向上させるという結果を確認しました。
今回のバイオ炭製造のスタートは、サントリーの九州熊本工場で発生する製造残渣から行われ、地域資源を有効活用することで環境にも優しい持続可能な農業の推進を目指しています。具体的には、今後原材料を農園に散布し、地域循環モデルを形成していく計画です。
さらに、サントリーとTOWINGの取り組みは国内に留まらず、国際的にも拡大されています。たとえば、タイではもみ殻を利用した高機能バイオ炭の製造が進められており、同地域のサトウキビ畑へ施用する実証実験も2025年より開始される予定です。この地域では、農業残渣の焼却による深刻な大気汚染問題が存在しており、彼らの取り組みはその環境問題解決にも寄与することが期待されています。
サントリーグループは長年にわたり、製造残渣を飼料や肥料として利用し、100%の再資源化を実現してきました。しかし、近年では、製造残渣を通じて高付加価値のある製品を生み出すことに注力し、循環型社会の実現を目指しています。今回スタートする高機能バイオ炭の製造は、再生可能農業の一環として位置づけられ、化学肥料の使用抑制と温室効果ガス(GHG)排出量削減を促進することが期待されています。
さて、TOWINGは、「サステナブルな次世代農業を起点とする超循環社会の実現」を使命に持つスタートアップ企業です。その製品である高機能バイオ炭「宙炭」は、地域で未利活用のバイオマスや食品製造からの残渣を原材料として利用し、アップサイクルされた資材です。宙炭は、有用な微生物群を定着させ、土壌環境を迅速に改善し、作物の品質や収量の安定化を図ります。
また、有機質肥料の効果を高めることで化学肥料の使用量を削減も可能ですし、カーボンクレジットの創出を通じた環境貢献も果たすことになります。TOWINGは、農業の生産性向上と環境負荷の軽減を同時に実現することを目指し、持続可能な食料生産システムの構築を進めています。
サントリーとTOWINGは、継続的な取り組みを通じて、カーボンニュートラルと循環型社会の実現に向けた努力を続けていきます。このコラボレーションは、環境問題への解決策を提供するだけでなく、地域社会への貢献も目指す意義深いものです。