SCIA調査が明らかにした定年後の関係性の変化
最近、セカンドキャリア・インキュベーション協会(SCIA)が発表した調査結果によれば、定年が近づく中年層の管理職における社会的つながりの減少が顕著であることがわかりました。この調査は、55〜59歳の管理職の4割以上が、会社を離れた後に続く関係が「ゼロ」であると回答したことを示しています。これは45〜49歳層の2倍にあたります。
管理職の「名刺定年」という現象
「名刺定年」という言葉は、企業での肩書きや役職が失われることによって、人間関係が希薄になっていく現象を指しています。定年を迎えたとき、名刺を持たずに自己紹介する機会が減少し、結果として人脈が途絶えてしまうという問題です。実際、調査結果によると、55〜59歳の66.5%が「肩書きなしの自己紹介」の機会がほぼないと報告しています。
不安を抱える層が増加
興味深いことに、キャリアへの不安を感じる人の割合は年齢にかかわらず約6割強で一定していますが、将来に向けて何も行動していない人の割合は増加しています。45〜49歳では49.1%だったのが、55〜59歳では63.2%に達するといいます。この事実は、年齢が上がるにつれて、将来への準備を怠る傾向が強まっていることを示唆しています。
課長レベルが最も厳しい立場
役職別に見ると、課長クラスが最も「肩書きなしの自己紹介」の機会が少なく、社会との接点が極めて限られている現状が浮き彫りになっています。課長クラスの53.8%がこの機会が「ほぼない」と答え、部長クラスは39.6%でした。それゆえ、授業や交流を通じて社外の人脈を構築することが非常に重要であるにもかかわらず、課長クラスはその機会を逃しているのが現状です。
SCIAの見解
SCIAの代表である小口彩子氏は、調査結果について「肩書きがなくなることで、会社の外での自分の名前や存在感を失いがちです。経験を活かし、自分の言葉で語る場を持つことが、定年後の関係を築くうえで最も確実な方法である」と語っています。また、今後のキャリア形成に向けて意識的に人脈を広げることの重要性を強調しています。彼女は、経験に基づく信頼を築くことが一つの解決策になると考えています。
イベントの告知
この調査を基にしたイベント「50代のキャリアを語る夜」が2026年11月17日に東京・大塚で開催されます。SCIAのスタッフと共に調査結果について深く話し合い、参加者同士の交流を図る貴重な機会です。
結論
この調査からは、年齢を重ねるにつれて会社の外との関係が減少し、それに伴うキャリアへの不安が深刻化していることがわかります。しかし、この傾向を逆転させるためには、自ら積極的に人脈を広げ、経験を新たな信頼に変えていく努力が不可欠です。SCIAは、今後もこうした情報を発信し続け、サポートの場を提供していく方針です。