2025年 転職と年収に関する実態調査の結果
パーソルキャリア株式会社が運営する調査機関『Job総研』が、2025年の転職と年収に関する調査を実施しました。この調査では、352人の社会人男女を対象に、現年収に対する自己評価や転職による年収の期待度、転職の目的、最近の転職による年収変化、さらには転職の成功と失敗について調査した結果を発表しています。
年収への不満が高まる現状
調査結果からは、63.4%の回答者が「自己評価より低い年収に不満がある」と答え、実際の年収の平均は598.9万円でした。一方、自己評価の平均は677.6万円と、間に約78万円の差があることが判明しました。このことから、多くの人が自身の能力に対して不満を抱えていることが浮き彫りになっています。
続けて、労働者団体の連合は全体で5%以上の賃上げを求め、物価上昇に対して賃金が追いついていないという現状がある中で、今後の転職市場にどのような影響があるか注目が集まります。
転職による年収アップの希望
調査の中で、83.3%の回答者が年収を上げる手段として昇進や昇給ではなく「転職」を選ぶと答え、転職後の期待年収アップ額は平均144.1万円と高い数値を示しています。この傾向は、年収を上げるための意識がかなり強いことを反映しています。
過去の主な転職理由は「仕事内容を変えるため」と「より良い環境で働くため」がありましたが、今後の目的は「年収を上げる」が最も多い結果となりました。
転職経験者の年収変化
転職経験がある262人に調査を行った結果、62.2%が直近の転職で年収が上がったと回答しました。特に20代の年代別回答では75.6%が年収アップを実現しており、若年層が積極的に転職を行っている様子が伺えます。
ところが、年収が下がった人もいることを無視するわけにはいかません。転職で年収が下がったとする68人の回答では、平均で168.7万円の減少が確認されました。このように結果が振り分かれる中で、転職の成功や失敗の定義は容易ではありません。
まとめ
『Job総研』の調査結果は、年収と自己評価のギャップや転職に対する意識、また年収アップへの期待の高さを示しています。成功と感じる転職の指標は年収の上昇が最多ですが、「やりたいことができるか」や「働き方の自由度」が重要視する声もある点は、単に収入だけでは測れないキャリアの在り方への問いかけを促します。
今後は、転職が個々のキャリアに与える影響が大きくなる状況の中、企業側も従業員が求める要素を再考する必要があるかもしれません。求職者が自分の価値を正しく評価し、転職の機会を最大限に活用するためには、よりリアルで透明性の高い情報が求められます。
「明日の常識を、ココから。」を掲げる『Job総研』は、今後も仕事に関連する多様な調査を行い、社会に対する有益な情報を発信していくことで、活躍できる社会の実現に向けて貢献していく所存です。