UAEパビリオンが視覚障がい者向けに「AIスーツケース」を導入
2025年に開催される大阪・関西万博において、アラブ首長国連邦(UAE)パビリオンは、視覚に障がいを持つ来場者が自律型ナビゲーションロボット「AIスーツケース」を使用し、自立した体験を楽しむという画期的な取り組みを行います。これは、UAEパビリオンとして初の試みであり、障がい者のアクセシビリティ向上に向けた重要な一歩です。
「AIスーツケース」は、視覚に障がいのある方々のために設計された自律走行のロボットスーツケースです。この技術は、日本科学未来館と次世代移動支援技術開発コンソーシアムの共同プロジェクトとして開発され、人工知能やセンサー、音声ガイダンスが組み合わさり、複雑な環境の中でも利用者が安全に移動できるように設計されています。
この万博において、2025年4月から10月にかけて、UAEパビリオン内で複数の「AIスーツケース」が運用され、社会実装を見据えた運用モデルの検証が行われます。先日、未来館の館長である浅川智恵子氏と副館長の高木啓伸氏が実際にこの「AIスーツケース」を利用し、UAEパビリオンのテスト訪問を行いました。
未来の展示体験
このパビリオンでは、宇宙探査、医療、持続可能な技術をテーマにした没入型の展示が行われています。特に印象的だったのは、ナツメヤシをイメージした空間が提供され、触覚や音声による演出が施されている点です。これによって、視覚に頼らずとも展示が楽しめる工夫がされています。
浅川館長は、UAEパビリオンの展示が多様な人々にとって楽しめるように設計されていることに感銘を受けました。具体的には、ナツメヤシを巧みに活用した空間設計が印象的で、文化と科学が見事に融合している点が特に評価されました。特に、UAEの砂に触れる展示では、砂の質感からその土地を想像することができ、まるで自分がUAEを旅しているかのような体験を得られたと語っています。
視覚障がい者に優しい未来の実現
視覚に障がいのある来場者が、「AIスーツケース」を用いて自身のペースで展示を楽しむことができる未来が実現に近づいているとの思いを館長は語ります。これまでは美術館や博物館を訪れる際に誰かに付き添ってもらう必要がありましたが、「自分自身で自由に観覧できる日が来る」という希望が感じられる瞬間でした。
UAEパビリオンは、今後も人間中心のイノベーションを促進し、すべての人々に開かれた未来の社会を目指す取り組みを続けていきます。
UAE万博事務局の背景
UAE万博事務局は、アイデアや革新をもってグローバルな進歩に貢献するために設立され、現在は2025年大阪・関西万博へのUAEの参加をリードしています。その活動は、世代や文化を超えた共感と連携を創出し、教育、医療、持続可能性、宇宙探査などの分野で前進を促しています。
この万博では、一人ひとりの出会いを通じて喜びや好奇心、協働の精神を届けることを目指し、UAEのビジョンに則ったプログラムが展開されます。プログラムのテーマは「大地から天空へ(Earth to Ether)」で、新たな思考と目的意識をもって、共に前進することを後押ししています。
UAEパビリオンは、ナツメヤシの木をモチーフにした建築デザインと、伝統的なエミラティの技術を融合させた空間で、来場者に没入感のある体験を提供します。さらに、UAEの美味しい料理を楽しめるレストランや、創造的なアイテムを扱うショップも併設されており、多彩なプログラムが展開される予定です。
是非、2025年の万博ではUAEパビリオン「大地から天空へ」をお楽しみに。