3digと凸版印刷が手を組む
2021年12月、株式会社3digと凸版印刷株式会社が高解像実測データを活用し、バーチャルヒューマン制作において新たな協業を開始しました。この取り組みでは、AIによって作成されるフォトリアルなバーチャルヒューマンを用い、肖像権フリーのコンテンツ制作を実現します。
何が変わるのか
最近では、実在の人物をバーチャル化する技術が注目されています。企業広告や映像コンテンツに使用することで、視聴者に強い印象を与えることができます。しかし、従来の技術ではいくつかの課題がありました。例えば、バーチャルヒューマンが不自然な表情や動きをし、視覚的にも満足できない結果になることがあるため、これを克服することが求められていました。
3digと凸版印刷はこれらの問題を解決するために共に取り組んでいます。凸版印刷が運営する「トッパンバーチャルヒューマンラボ」内で、精密に測定されたデータを基に、AIシステム「anma」と連携して新しい形のバーチャルヒューマンを作成します。このアプローチにより、従来の技術と比べて自然でリアルな表情を持つキャラクターを生成できるようになるでしょう。
具体的な取り組み内容
1.
データの収集と管理
まず、凸版印刷が持つ「ライトステージ」を使用し、人体に関する高精度の実測データを収集します。このデータは、「人体情報プラットフォーム」に整理・運用し、教師データとして活用されます。
2.
バーチャルヒューマンの生成
次に、収集したデータを用いて、3digのAIシステム「anma」がフォトリアルなバーチャルヒューマンを生成します。このプロセスでは、人間らしい自然な表情や動きを再現することが可能になります。
2社の役割分担
2020年に設立されたトッパンバーチャルヒューマンラボ内で測定されたデータを高セキュリティ下で管理し、このデータを3digに提供します。これにより、バーチャルヒューマンを軸にした新たなモデルエージェンシービジネスを目指しています。
長年の研究開発を基に開発した「anma」に高解像度の実測データを組み込むことで、高品質なバーチャルヒューマンの生成を実現します。このシステムを活用し、より多様で魅力的なコンテンツを提供予定です。
今後の展望
3digと凸版印刷は、2022年からデータセットの運用を開始し、翌年4月には広告業界や地方自治体向けに、肖像権フリーでフォトリアルなバーチャルヒューマンの自動生成を実現するプラットフォームを構築する計画です。また、2025年度までにこの新ビジネスにより10億円の売上を目指しています。
AI技術と実測データの融合によって、バーチャルヒューマンの未来はさらに広がることが期待されます。今後の展開に注目しましょう。