男性育休100％を支援する新たな取り組みが始動 - 経営者による動画公開

男性育休100％を応援する動画が公開される

2019年12月27日、日本の社会における男性の育児休業取得を促進するための新たな取り組みが始まりました。株式会社ワーク・ライフバランスは、Forbes Japanとの協力により、「男性育休100%」特集ページを開設し、経営者たちが直接育児休暇の必要性について語る動画「＃もっと一緒にいたかった」を公開しました。この動きは、日本の育児制度の恵まれた背景にもかかわらず、実際の取得率が6％に留まっている現状を打破するための試みです。

なぜ男性育休が必要なのか？

国連児童機関によると、日本の男性育児休業制度は先進国の中でも充実していますが、その実態は乏しい現状です。2010年から2020年にかけて、政府が推進してきた育児休暇取得率の改善は2%から6%への微増にとどまっており、2020年の政府目標である13%には遠く及びません。このような背景には、「休ませない同調圧力」が根強く、制度が存在しながら実際に利用できない企業文化が影響しています。

さらに、産後の妻が自殺するリスクが高く、孤独な育児や過度のストレスが大きな要因とされています。男性が育児休暇を取得することで、家族の負担を軽減し、育児においても積極的に関わる姿勢が求められています。さらに、男性新入社員の約8割が育休を取りたいと考えていることからも、企業にとっても育休取得を促進することで社員のモチベーション向上や離職防止に繋がる可能性があります。

男性育休100%宣言プロジェクト

株式会社ワーク・ライフバランスは、男性育児休業取得率100%を目標に掲げ、「男性育休100%宣言」プロジェクトを立ち上げました。この活動には、経営者が育児休暇の取得推進に対する意識を持ち、企業として具体的なアクションを起こすことが求められます。

すでに73社がこの宣言に参加しており、テレコム業界から建設業、医療業界まで、さまざまな業種の経営者が共に活動を進めています。シンポジウムには140名以上の経営トップが参加し、男性育休取得の重要性を訴えています。

動画の内容と今後の展開

今回公開された動画では、経営者たちが自身の体験を語り、育児に向き合う心構えを伝えています。建設業、製造業、IT企業など、これまでワークスタイル改革の難しさが指摘されてきた業界のトップが、育児休業を取得することの重要性を力強くメッセージしています。彼らの言葉には、過去の反省や未経験の育児に対する後悔が色濃く映し出され、自らの経験を元にしたリアルな声が響きます。

例えば、ある経営者は「仕事だけに集中していた時期があり、子どもとの時間を持てなかったことが後悔の種だ」と語り、別の経営者は「育児休業制度を企業に取り入れることがいかに大事かを痛切に感じている」と述べています。彼らの言葉は、同じ思いを抱える男性たちに勇気を与える内容となっています。年末年始の家族団らんの時期に合わせたこの動画配信は、多くの家庭に響くことでしょう。

結論

この取り組みは、育児に対する男性の関与を促進し、ひいては社会全体の意識改革に繋がる重要な一歩です。経営者自身が育児にどのように関わっていたのかを率直に語り、多くの人に影響を与えることで、従来の働き方の枠を超えた新しい価値観の醸成が進むことが期待されます。以下に、動画のリンクと今後のスケジュールを記載します：

このプロジェクトが広がり、今後益々多くの企業が男性育休の取得を支援し、男性も育児に積極的に参与できる社会になっていくことを願っています。