リーガルテック株式会社が新たな一歩を踏み出す
2025年3月24日、東京都に本社を置くリーガルテック株式会社(旧社名:Tokkyo.Ai株式会社)が、約1.4億円の資金を新たに調達したことを発表しました。この資金調達を契機に、知的財産(知財)のマネタイズ支援の領域に事業を拡大する方針を示しました。現在、同社はAIを活用した特許検索や分析ツールの開発に注力しており、その技術を用いて特許を収益化し、企業の競争力を高める新しいソリューションを提供することを目指しています。
知財のマネタイズ支援にかかる日本の文化的背景
日本では、知財に対する考え方が欧米や中国に比べて少し遅れていると言われています。具体的には、特許が「利益を生む資産」として捉えられにくいという文化が根強いため、以下のような課題が存在しています。
1.
特許=守るものという固定観念:多くの企業が特許を防衛的な資産と考え、商業的な活用に目を向けていません。
2.
知財担当者のコストセンター的発想:知財部門が利益を出すことではなく、コストを管理する役割に徹しているためです。
3.
未発達の特許売買市場:特許のマーケットプレイスが成熟しておらず、知財の売買が活発に行われていないという背景があります。
4.
スタートアップや中小企業の知財意識の低さ:企業規模に関わらず、知財に対する意識の低さが経済活動に影響を与えています。
これらの背景を受けて、リーガルテック社は知財の収益化や戦略的活用を支援するために、特許文書の作成や特許権の獲得、知財管理のためのトータルプラットフォームを提供しようとしています。
今後の展望と具体的な取り組み
今後の展開として、リーガルテック社は以下のような取り組みを計画しています:
- - AI特許ツールの進化:特許文書の自動作成や高機能な特許検索・分析機能の実現を目指します。
- - 知財マネタイズ支援ツールの強化:バーチャルデータルーム(VDR)、電子契約、法令判例検索AIの最適化により、利便性を高めます。
- - リーガルテック分野での事業拡大:企業や法律事務所、研究機関との連携を強化し、サービスのバリエーションを増やします。
これにより、企業は自らの特許の戦略的活用機会を逃さず、より効果的な知財管理ができるようになります。AIとリーガルテクノロジーを駆使した革新は、知財のマネタイズを実現し、企業の競争力を一層高める手助けとなるでしょう。
会社概要:リーガルテック株式会社
- - 会社名: リーガルテック株式会社
- - 設立: 2021年3月
- - 資本金: 2億4,000万円(資本準備金含む)
- - 代表取締役社長: 佐々木 隆仁
- - 所在地: 東京都港区虎ノ門5-13-1 虎ノ門40MTビル4F
- - 事業内容: 同社は、知財特化型のAIリーガルテックソリューションを提供する企業であり、「知財の民主化」という理念のもと、特許検索、知財契約、M&A、訴訟支援を統合した革新的なプラットフォームを展開しています。この分野においてリーディングカンパニーとして成長を続けるリーガルテック社は、国内外で顧客数を増加させ、IPO準備も進めており、さらなる成長を期待されています。