骨髄バンクドナー登録者数が100万人に到達
日本における骨髄バンクのドナー登録者数が、ついに累計100万人に達しました。1992年の登録受付開始から33年という長い道のりの中で、数えきれないほどの人々の善意によって、無事この節目を迎えることができました。
この成功の裏には、患者さんやそのご家族を支える医療関係者の方々、そしてドナー登録を呼びかける様々な団体、企業、自治体、学校関係者の大変な努力がありました。また、ボランティアとしてこの事業を支える多くの人々にも感謝の念を表したいと思います。彼らの協力によって、患者さんの命を繋ぐ道が少しずつではありますが、広がっています。
骨髄バンクの重要性
白血病などの血液疾患に対して、骨髄移植や末梢血幹細胞移植は生命を救うために不可欠な治療法です。しかし、移植にはHLA型(白血球の型)の一致が必要で、血縁関係のない者同士では一致する確率が極めて低いのが現状です。これを受けて、公益財団法人日本骨髄バンクは、非血縁者の間での造血幹細胞提供を促進し、これまでに約2万9千人以上の患者さんに移植のチャンスを提供してきました。
100万人のドナー登録という数字は大きな達成であると同時に、私たちの挑戦は未だ続いています。特に、30代以下の若者の登録者が少ないことが懸念されています。少子高齢化が進行する中、若い世代の参加が、今後の安定した移植体制を支える鍵を握っているのです。
新たな登録方法の導入
さらに2026年度からは、スワブ(口腔内粘膜)を用いたオンラインドナー登録が本格的に導入される予定です。この新しい登録方法は、従来行われていた採血を必要とせず、自宅で手軽に登録できる点が魅力です。アメリカでは2006年から導入されており、早くもその効果が実証されています。日本でも、血縁者間においてスワブ登録は既に実用化されており、さらなる普及が期待されます。
この新しい登録方法によって、より多くの方々がドナー登録の一歩を踏み出しやすくなることが目標です。私たちも、いつでも登録がしやすい環境を整えるための努力を続けてまいります。
みんなの支援に感謝
こうした活動に関わってくださったすべての方々に心から感謝いたします。そして、今後とも一人でも多くの命を救うため、骨髄バンクの活動にご理解とご支援をお願い申し上げます。私たちの取り組みによって、命を救う希望がより多くの人々に届くよう、全力を尽くしていく所存です。
詳しいドナー登録や最新の情報については、
日本骨髄バンク公式サイトをご覧ください。
スワブ登録の仕組み
スワブとは、綿棒状のキットを用いて自宅で口腔内の検体を採取し、郵送することで骨髄バンクにドナー登録ができる仕組みです。これにより、採血が不要となり、誰でも手軽にドナー登録が可能になります。日本でも2025年度中に3000検体の登録を目指して、トライアルが進められています。
この新たな方法が、さらに多くの方々を骨髄バンクへと導くことを期待しています。