新型三次電池が特許取得、IoT機器に新たな可能性
株式会社フォーカスシステムズと国立大学法人筑波大学が共同で進めてきた「三次電池」とIoT機器に関する研究が特許認定を受け、今後の技術革新が期待されています。この特許は、温度変化を利用して環境熱で充電する新しい方式の電池技術を基盤としています。
新しい技術の核心、三次電池
三次電池は、正極と負極の酸化還元電位の温度係数の違いを利用し、わずかな温度変化でも充電が可能な革新的な電池です。この技術により、従来の二次電池が電力に依存するのに対し、三次電池は環境からの熱を利用して充電ができます。これにより、エネルギーの効率的な利用が期待され、特にIoT機器にとっては無充電での運用が実現する可能性があります。
特許番号は特許第7781384号で、登録日は令和7年11月28日、発行日は令和7年12月8日です。この特許は、筑波大学が研究代表を務める数理物質系の守友浩教授との共同研究によるもので、IoT機器の運用コスト削減にも寄与することが見込まれています。
共同研究の経緯と成果
フォーカスシステムズは1977年に設立以降、公共・通信分野でのシステム開発と運用に取り組むとともに、IoTやクラウド、AIなど最新技術に積極的に取り組んできました。特に、環境への配慮や持続可能性を重視した技術開発は、近年の企業活動において重要なテーマとなっています。
この三次電池に関しては、2019年3月に筑波大学との共同研究が始まりました。以降、数回にわたり研究成果を発表し、2020年には相転移物質の利用による高電圧化に成功したという話題も集まりました。さらに、2021年には「IoT機器の無充電運営」を目指す実証実験が行われ、カーボンニュートラルへの貢献が期待されています。
今後の展望
環境熱で充電可能な三次電池は、様々な場面での応用が考えられています。特にIoT機器の進化に伴い、無充電での使用が可能となることで、機器の設置場所や運用方法が大きく変わるでしょう。これにより、効率的なエネルギー管理と持続可能な社会の実現に向けた一助となることが目指されています。
フォーカスシステムズのコーポレートスローガンには「テクノロジーに、ハートを込めて」という言葉があります。技術によって人々をつなぎ、社会に貢献する同社の姿勢がこの新しい電池技術にも表れていることでしょう。今後の研究成果として、この三次電池がどのように普及し、私たちの生活に革新をもたらすのか、大いに期待されます。
公式サイトのリンクもお見逃しなく(
フォーカスシステムズ公式サイト)。