フェリシモの「おそろい短歌賞」に思いを馳せて
フェリシモことば部が実施した『おそろい短歌賞』の受賞作が、2023年11月11日11時11分に発表されました。今年も多くの応募があり、約550名から1369首が集まり、歌人の岡野大嗣氏が選考を行いました。その結果、金賞1名、銀賞2名、銅賞3名の計6首が受賞しました。
おそろい短歌賞の趣旨
『おそろい短歌賞』は、フェリシモが制定した「おそろいの日」をテーマにした文化活動の一環です。この日を契機として、親子や友人同士の絆を深めることを目的としています。短歌を通じて、同じ瞬間に生まれる感情や情景を表現し、共感を呼び起こす作品を広める取り組みです。
受賞作品のご紹介
【金賞】
植垣颯希の作品
『焼肉の後のキャンディーこれからの東京にあなたの暮らす駅』
焼肉を楽しんだ後のキャンディーを味わいながら、共に過ごす時間を彷彿とさせる心温まる歌です。
【銀賞】
川南未旅の作品
『雪までの距離がおそろい私たち止まる電車を跳ねて抜かして』
雪間近な季節感を表現し、互いの存在を感じながら進む様子が描かれています。
遊鳥泰隆の作品
『真相は分からないけど五年間誤読に誤読で返してくれた』
誤解や誤読に纏わる複雑な人間関係が表現されています。
【銅賞】
シラソの作品
『ためしにと小指に塗ってあげた色わたしの爪の分身になる』
自分の一部を誰かに与える優しさが感じられます。
常田瑛子の作品
『夏休み中の校舎は空っぽの製氷皿とおなじ明るさ』
空っぽの校舎が持つ静けさと青春の一瞬を捉えました。
髙山准の作品
『この曲を海と思っている人は他にもこんな海を聴きます』
音楽の持つ多様性と、共鳴しあう人々の関係性が描かれています。
審査員の岡野大嗣氏
審査を務めた岡野大嗣さんは、大阪府出身の著名な歌人です。短歌の魅力を伝えるためのさまざまな作品を手がけ、多くの人々に影響を与えてきました。彼は短歌の選考にあたって、応募作品が表現する「おそろい」というテーマの深さに注目し、多角的な視点から評価を行いました。
短歌における「おそろい」の意味
短歌を書くことは、自らの思いや感情を整理する行為でもあります。この賞を通じて、多くの人が短歌に触れるきっかけとなり、感受性を豊かにすることが期待されています。
「おそろい」のテーマは、日常の中にある様々な関係性を再確認させてくれるものでもあります。共に過ごす時間や瞬間が、どれほど価値のあるものであるかを感じさせてくれます。
次回募集について
『おそろい短歌賞』の次回募集は2025年9月12日から10月19日までの期間で行われ、ふたりやおそろいに関するテーマで応募が可能です。受賞者にはオリジナルラベルのワインが贈られるなど、短歌を通じて新たな楽しみ方が提供されます。
興味のある方はぜひ参加し、自分の感情を短歌にするチャンスを掴んでみてはいかがでしょうか。
おわりに
フェリシモことば部は、短歌を通じて人々のコミュニケーションを促進する新たな潮流を生み出しています。この活動が広がることで、より多くの人が短歌の魅力を知り、楽しめる社会が築かれることを願っています。