昨今、ビジネスや私生活の場面で「論破」と呼ばれる言葉が頻繁に使われています。議論の場において、自分の意見を通したい、そのために相手を言い負かすことを目指す人も多いことでしょう。しかし、実のところ、これには危険が伴います。論破を目的にしてしまうと、大切にしたい関係性が損なわれかねません。著者の波戸岡光太氏は、弁護士でありビジネスコーチの立場から、相手との良好な関係を築きながら、建設的な対話を重ねることの重要性を説いています。
本書『論破されずに話をうまくまとめる技術』では、論破を超えた新しい議論の形を提案しています。全六章から成るこの本では、まず初めに「論破は愚者のすることである」という考えを提示し、次に、自分と相手の意見をまとめるための思考法や、話を効果的に通じさせるためのスキルを具体的に解説しています。
第1章では、論破の本質とその愚かさについて深堀りしています。自身の意見を通すために相手を論破するという行為が、最終的には双方にとっての利益を損ねることを明らかにしています。ここでは、賢い議論とは何か、なぜ相手を論破することが得策でないのかを述べています。
第2章では、話を効果的にまとめるための思考法に焦点を当て、議論の枠組みを整える方法が紹介されます。自らの考えを整理し、相手の意見にどう反応するかが鍵となります。
第3章では、議論をスムーズに運ぶための「聴く」スキルについて具体例を交えながら説明します。相手の話をしっかりと聴くことで、相手もこちらに耳を傾けてくれるようになるのです。
第4章では「整える」スキルを磨くことの重要性を学び、相手を納得へと導く方法を考察します。相手が自身の意見を受け入れやすくするためには、どのようにコミュニケーションを行うべきか、具体的なテクニックが提供されます。
第5章では合意形成への道を探ります。「着地」させるためのスキルは、結論に至る際に不可欠で、双方が理解した上で納得できる結果を得ることができる方法を伝授。最後の第6章では、難しい相手とのやりとりをストレスなく進める秘訣を解説し、どんな環境でも通用する技術を纏めています。
著者の波戸岡氏は長年の実績をもとに、法的アドバイザーとしてだけでなく、ビジネスパーソンを支えるコーチとしての経験も豊かです。これにより、実際に役立つスキルを身に付けられる貴重な一冊となりました。
2025年4月30日に発売されるこの本を手に取って、議論での失敗を恐れずに、より良いコミュニケーションスキルを身につけてみませんか?価格は1,925円(税込)で、ISBNは978-4-413-23401-6。是非、この機会に自分自身を高めてみてください。