中学生のスポーツ活動と保護者の関与に関する調査結果
2025年1月、笹川スポーツ財団は中学生のスポーツ活動における保護者の関与と意識についての調査を実施しました。調査対象は中学生の子どもを持つ保護者3,136名で、運動部、文化部、さらにはスポーツクラブにおける保護者の行動や満足度を明らかにすることが目的です。この結果は、保護者がどのように子どものスポーツ活動に関与しているかを示し、具体的な支出状況も明らかにしています。
調査結果の概要
この調査では、保護者がどの程度中学生の「運動部・文化部」と「スポーツクラブ」に関与しているのかに焦点を当てています。まず、保護者の関与の頻度として最も多かったのは「お子様の送迎をする」という行動であり、運動部で63.0%、スポーツクラブで78.1%という数字が示されました。続いて、お子様の飲み物や食事の用意や、保護者同士の情報共有が続きました。この結果から、特にスポーツクラブにおいて保護者の参画が顕著であることがわかります。
保護者の満足度
興味深い点は、スポーツクラブに関与する保護者ほど、やりがいと満足度を感じているとする割合が高いことです。具体的には、スポーツクラブに参加している保護者の57.8%が「やりがいを感じている」と答え、運動部の49.2%、文化部の31.0%を上回りました。また、「満足している」との回答もスポーツクラブが66.7%で最も高く、運動部が57.8%、文化部が50.7%という結果でした。これらのデータから、スポーツクラブでの活動が保護者にとって価値のある経験となっていることが伺えます。
費用の比較
さらに調査では、スポーツクラブの費用が運動部に比べて高いことも明らかになりました。1年間の家庭負担額の平均は、運動部が50,857円であるのに対し、スポーツクラブは155,799円と、約3倍の差があります。運動部では46.9%の家庭が10,001~50,000円を支払っており、多くが経済的な負担の範囲に収まっていますが、スポーツクラブでは高額な支出をする家庭も相当数存在することが確認されました。
今後の展望
今回の調査は、中学生のスポーツ活動について保護者の視点から詳細なデータを提供するもので、親がどのように関与し、成果や満足を感じているかを知るための重要な参考資料となります。今後は、子どもの特性や地域差、競技種目による違いに関するさらなる分析が進む予定です。調査の結果が今後の子どもたちのスポーツ環境の改善に寄与することを期待しています。
参考情報
今回の調査は、公益財団法人笹川スポーツ財団政策ディレクターの宮本幸子氏により実施され、早稲田大学や名古屋芸術大学などの研究者とも共同で進められました。保護者が子どものスポーツ活動に対してどのように感じているのか、今後の研究成果にも注目が集まります。