札幌コンベンションセンターの新たな挑戦
2023年11月26日、札幌市に位置する札幌コンベンションセンターが、国際的な環境認証であるLEED(Leadership in Energy and Environmental Design)の「既存建築物:運用・保守(LEED O+M)」において、ゴールド認証を取得しました。これは日本のMICE(Meeting, Incentive, Convention, and Exhibition)施設では初となる快挙です。
1. LEED認証取得の意義
近年、MICE業界における環境への配慮は重要なトピックとなっており、特に国際会議の場では、施設の環境性能が選ばれる一因とされています。この流れに対応し、札幌コンベンションセンターは太陽光発電の採用や100%再生可能エネルギーの利用を通じて、持続可能な社会の構築に貢献しようと努めてきました。今回のゴールド認証は、同施設が運用や保守の面で持続可能な取り組みを継続的に行ってきた結果として、国際的に認められたものです。
2. LEED O+M認証とは
LEEDは、米国の非営利団体であるU.S. Green Building Councilが開発した、世界的に最も広く普及しているグリーンビルディング認証システムです。建物の環境性能をさまざまな視点から評価し、その成果に応じて「標準認証」、「シルバー」、「ゴールド」、「プラチナ」の4つの段階に分けて認証が行われます。
O+Mは、特に既存の建物が運用・維持管理の段階での持続可能性を重視した認証です。これにより、持続的な運営を行っている施設であることが評価されます。
3. 評価された取り組み
札幌コンベンションセンターのゴールド認証取得にあたっては、以下の施策が評価されました:
- - エネルギー効率の改善:高効率の空調設備を導入し、LED照明に全面的に切り替えることで、大幅なエネルギー削減を実現しました。
- - 水使用量の削減:節水型トイレや効率的な給水システムを採用し、水資源の有効利用を促進しています。
- - 廃棄物管理の強化:廃棄物の分別やリサイクルを徹底し、資源循環型社会の実現に寄与しています。
- - 快適な室内環境の維持:参加者の健康と快適性を重視し、質の高い室内空気環境を保つよう努めています。
4. 今後の取り組み
LEEDゴールド認証を獲得したことは、札幌コンベンションセンターが環境配慮型のMICEの開催を積極的に支援する意志を示すものです。今後も、さらなる環境負荷の低減に取り組むと共に、国内外の主催者に対し、安心して利用できる会場を提供し続けることを目指します。環境に配慮したイノベーションを進め、MICEの新たなモデルとしての地位を確立していきます。
施設概要
- - 名称: 札幌コンベンションセンター
- - 所在地: 札幌市白石区東札幌6条1丁目1-1
- - 所有者: 札幌市(指定管理者:SORA-SCC共同事業体)
- - ウェブサイト: https://www.sora-scc.jp/
- - 施設情報供用開始: 2003年6月1日
- - 敷地面積: 41,019㎡
- - 延床面積: 20,310㎡
- - 構造: RC造、一部SRC・S造、地下1階地上3階建