LPWA本郷テストベッド
2020-08-07 16:31:54

IoT通信の未来を拓く!LPWA本郷テストベッド開設の意義と期待

IoT通信の未来を拓く!LPWA本郷テストベッドの開設



近年、IoT(Internet of Things)デバイスは急速に普及し、それに伴い通信手段の多様化が進んでいます。その中でも特に注目されているのがLPWA(Low Power Wide Area)技術です。LPWAは、低消費電力かつ長距離通信を可能にする無線技術で、IoTの実用化を支える重要な役割を果たしています。しかし、LPWAの中にも多くの通信方式が存在し、IoT事業者はどれを選ぶべきか迷うことも少なくありません。

そのような背景の中、東京都文京区の本郷に「LPWA本郷テストベッド」が開設されました。このテストベッドは、IoT事業者が低コストで迅速に最適なLPWA技術を選定できる環境を提供しています。

LPWA本郷テストベッドの目的


LPWA本郷テストベッドの主な目的は、都市部における各種LPWA技術の通信性能を評価することです。具体的には、多数のセンサーを配置し、様々な条件下で到達距離や通信速度、通信率を測定します。この実験により、IoT事業者は実環境での性能を把握し、自社のサービスに最適な通信方式を選択することができます。これにより、迅速なサービス開発が可能となります。

LPWA技術の特性


一般的に利用されているWiFi規格は、2.4GHzや5GHzといった高周波数を用いることで高速データ通信が可能ですが、障害物に弱く通信距離は限られています。一方、LPWAは900MHz帯を使用し、障害物に対する耐性が高く、長距離通信を実現します。そのため、少量のデータのやり取りにおいて非常に有効な技術といえます。

また、LPWAで利用される920MHz帯は、免許不要のため導入コストを抑えやすく、さまざまなIoTサービスに対応することが可能です。しかし、LPWAの普及が進む中で、異なるLPWA技術間での干渉や混信も懸念されており、この問題に対処することもテストベッドの重要な課題です。

実験の内容と手法


LPWA本郷テストベッドでは、実験を通じて以下の3つの通信実験を行います。

1. 市街地・ビル密集地での通信実験
本郷周辺や横須賀市街地で、LPWAデバイスを複数設置し、周囲の電波状況を測定します。この実験により、都市部における各LPWA方式の通信状況を評価します。

2. キャリアセンス実験
日本の電波法に基づき、LPWAを使用する際は発信前にキャリアセンスを行う必要があります。この実験は、この規定の有効性を検証します。

3. 干渉・混信実験
複数のLPWAデバイスが同時に通信する場合の干渉や混信の影響を調査します。これにより、複数LPWA技術の併用時の問題点を明らかにします。

これらの実験では、TELEC T-245に基づいた各種測定が行なわれ、電波暗箱など専門的な設備も整えられています。電波暗箱は外部からの干渉を排除し、精密な測定を行うための重要なツールです。

結論


LPWA本郷テストベッドは、IoT事業者にとって必須の試験環境となることでしょう。今後、テストベッドの成果がIoT通信の進化に貢献し、多様なサービスの実現に向けて寄与することが期待されます。特に、都市部での適切な通信方式の選定が、IoT社会のさらなる深化を加速することでしょう。

会社情報

会社名
国立大学法人東京大学 
住所
東京都文京区本郷7-3-1工学部二号館 73C3
電話番号

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