令和AIとオージーエヌ、生成AIを用いたハードウェア制御の共同研究を開始

令和AIとオージーエヌによる共同研究

株式会社令和AI（東京都千代田区）と株式会社オージーエヌ（愛知県岡崎市）が生成AIを応用した産業用ハードウェア制御の共同研究を開始した。これは、愛知県岡崎市が推進する「おかざきものづくりオープンイノベーションプログラム」に基づき、株式会社eiiconによるサポートを受けつつ進められる。

この共同研究は産業用ハードウェアの設計現場における生産性向上や新たなビジネスチャンスの創出を目指しており、特に人手不足や後継者不足に伴う技術の継承問題に対処する意義がある。多くの企業が経験するように、技術者の高齢化が進む中、次世代へスムーズに技術を引き継ぐことは大きな課題であり、これにAI技術を融合させることで解決を図る。

産業用ハードウェアの制御は複雑で、プログラマブルコントローラ（PLC）など特有のデバイスが利用されている。しかし、PLCのプログラムは一般的なプログラミング言語とは異なるため、熟練の技術者が必要となる。しかし、現在の技術者は年齢的な理由から徐々に減少しており、これを放置すれば技術の喪失につながる恐れがある。

令和AIでは、生成AIを用いたハードウェア制御に関する研究を過去に行っており、生成AIの特有の問題（ハルシネーションなど）が具体的なハードウェア制御に与える影響とその解決方法についての知見を蓄積してきた。これに対してオージーエヌは、産業用生産設備の設計を得意とし、3D設計の早期導入を果たすなど、業界のデジタルトランスフォーメーション（DX）において先進的な取り組みを行ってきた。この両社の相乗効果により、実践的な開発体制が築かれることが期待されている。

この研究の進展により、令和AIとオージーエヌは、産業用ハードウェアにおける生成AIの新たな活用法を模索し、実際の設計現場で利用されるAIツールの実装に寄与することが目指されている。これによって、将来的にはより多くの企業が生成AIを利用した効率的なハードウェア制御を実現でき、技術者不足を補う新しい道筋が開かれることが期待される。