月経前の肌不調と自然光の関係を探る新たな研究結果

月経前の肌不調と自然光の関連性について

近年、女性の健康に対する関心が高まる中、月経周期に関連する肌不調に関する研究が注目されています。特に、月経前に多くの女性が経験する肌の不安定さ、いわゆる月経前症候群（PMS）は、約74%の女性に影響を与えると言われており、その対策が急務となっています。

先日、京都大学と株式会社セプテム総研との共同研究により、月経前の肌不調には自然光が大きく関わっている可能性が示唆されました。研究は2022年に実施され、日本在住の20歳から49歳の女性801名を対象にしたWebアンケートが行われました。

研究結果の概要

この研究の結果によると、月経前の肌不安定化は年代ごとに異なり、特に20歳代の女性においてニキビの発生率が最も高いことが分かりました。ニキビの発生割合は、20歳代で97.5%と非常に高く、30歳代88.1%、40歳代でも73.5%に達しています。

さらに、月経前の肌不安定化と生活スタイルの関係を分析したところ、朝型の人々と比較して、夜型の人々において肌状態の不安定化が顕著に見られることが明らかになりました。これまでの研究との違いで、生活習慣の影響が強調されています。

自然光がもたらす影響

特筆すべきは、日中に2時間以上の自然光を浴びることが、月経前の肌不調を軽減する要因であるという点です。研究では、自然光曝露が2時間以上の女性は、2時間未満の女性と比べて肌不安定化が少ない傾向にあることが示されました。これは、体内時計を整える上でも重要な要素となり得ます。

生活スタイルの見直し

この研究結果を受けて、月経前の肌不安定化を軽減するためには、自分自身のクロノタイプ（朝型・夜型）を認識し、日中に自然光を取り入れた生活を意識することが重要です。特に、都市部では夜間の照明が増加し、自分の体内時計が乱れる要因ともなっています。

若村教授は、「本研究は月経前に肌が不安定になる理由を解明する一助になった」とし、今後も生理的なリズムと健康の関連を探求していく意向を示しています。