下田市のユニバーサルビーチプロジェクト
静岡県下田市では、「下田ユニバーサルビーチプロジェクト」が今年度も実施されます。このプロジェクトは、障がいがある方や高齢者を含むすべての人々が安心して海を楽しめる環境を整えることを目指しています。プロジェクトは令和5年度から始まり、今年で3年目を迎えます。
「共生する海辺のまち」を目指して
下田市は、「共生する海辺のまち」を実現するため、地域全体で取り組んでいます。このプロジェクトでは、バリアフリーを重視し、ビーチマットの設置や水陸両用の車椅子を利用して、海へのアクセスを可能にしています。 そして今年も、講習会と体験会を通じて、参加者の不安を解消し、海を安心して楽しむための技術を学ぶ場を提供します。
実施される講習会は7月9日(水)午前9時から12時まで、道の駅「開国下田みなと」で行われます。座学では、ユニバーサルビーチの運用ルールやビーチマットの設置方法、安全管理に関する知識を学びます。その後、実際に外浦海水浴場にて実技講習が行われ、参加者はビーチマットの敷き方や水陸両用車椅子のサポート方法を学ぶことができます。
参加は無料で、ユニバーサルビーチに興味のある方なら誰でも参加可能です。持ち物には着替えや日焼け対策、海水浴用の道具などが必要です。また、途中参加や途中退席も問題ありませんが、修了証が交付されるのは全過程を受講した場合のみとなっています。
感動を共有する体験会
昨年度のプロジェクトでは、参加した当事者から感謝の声が上がりました。「車椅子でも海岸に降りられたことに感動した」といった言葉や、家族も一緒に海水浴を楽しむことができたという意見がありました。今年度の体験会は、7月23日、30日、8月24日に予定されており、水陸両用車椅子「ビーチスター」を使用して、より多くの人々が海を体験できるように工夫されています。地域のサーフィンコミュニティやライフセービングクラブの協力によって、ボランティアサポーターが参加者を支え、安全な海の楽しみを提供します。
日常での利用を目指した施策
また、今年度のプロジェクトでは、特別な行事だけでなく、継続的に誰でも利用できる体制を構築することを目指しています。下田市は民間企業や地域団体と連携し、年間を通じて「ビーチスター」を利用できる仕組みの構築に着手しています。これにより、特別な日だけでなく、通常の日常の中でも、地域住民は気軽に海を楽しむことができるようになります。
新たな地域価値の創造
このプロジェクトは、単に海を楽しむだけでなく、観光と福祉の融合によって地域の活性化を図る狙いがあります。「誰もが快適に過ごせる環境」は、多くの人を惹きつけ、地域の魅力を広め、新しい交流が生まれる場をつくるのです。将来的には、観光庁の施策を活用し、持続可能なまちづくりに向けた取り組みを進めていく予定です。
下田市ユニバーサルビーチプロジェクトは、全国的にも先進的な取り組みとして注目されています。海の楽しみを全ての人が感じられるように、地域とともに新しい価値を創造していく未来が楽しみです。