本田技研工業株式会社(以下Honda)は、埼玉製作所エンジン工場に「SmartMat Cloud」を300台以上導入することを決定しました。このDXソリューションは、現場のモノをIoTで見える化し、在庫管理や工程改善を実現することを目指しています。
これまで、Hondaの埼玉製作所エンジン工場では、理論在庫をもとに補充指示を行っており、実際の在庫とのギャップが問題となっていました。そのため、補充担当者が現場を巡回しながら補充作業を行う必要がありました。しかし、ラインサイドへの直接補充が追いつかず、中間棚を設置することで補充の二重体制が生まれていました。この結果、中間棚には不要な在庫が増え、ラインサイドのスペースが圧迫され、組立担当者が作業に集中できない状況が発生していました。
これらの課題を解消するために、SmartMat Cloudの導入が決定されたのです。このシステムを活用することで、中間棚を廃止し、倉庫からラインサイドに直接補充が可能になります。これにより、無駄な在庫を減らし、ラインサイドをよりスッキリとした状態に保つことができます。また、組立担当者は補充作業から解放され、より効率的に組立作業に専念できる環境作りが期待されています。
Honda 埼玉製作所のエンジン管理課である吉田則夫様は、プロジェクトの進行において若手を中心に積極的に現場を巻き込み、カイゼンを進めていると述べています。実際のデータを基に議論を重ねることで、本質的な改善が実現できると信じており、SmartMat Cloudの導入により、モノの流れが可視化され、補充業務などさまざまな改善活動に活用できると期待しています。
SmartMat Cloudの概要としては、あらゆるモノの実在庫をIoTで見える化し、在庫管理を簡単に自動化するDXソリューション(SaaS)です。これまでは、多大な人手を要していた棚卸作業や、リアルタイムでの在庫把握が困難でしたが、SmartMat Cloudによって、発注までのプロセスが完全に自動化されることで、省力化と業務の高度化が実現します。2018年冬に事業を開始して以来、製造業やサービス業、医療機関など幅広い分野で導入され、既に1,800件を超える企業が利用しています。
株式会社エスマット(旧:株式会社スマートショッピング)は、IoTを活用した在庫管理の自動化を目指し、SmartMat Cloudを展開しています。これにより、様々な業種で効率的な業務遂行を支援しているのです。日本国内における製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の一環として、Hondaがこの先進的な技術を取り入れることは、他の企業にとっても大きな指針となるでしょう。