清和綜合建物が進めるAI活用
不動産と建築業界向けのAI開発を手がける株式会社THIRDが、清和綜合建物に新たなAI自動見積査定システム「工事ロイド」を導入しました。このシステムは、東京都内を中心にオフィスビルや住宅、ホテルなどを所有する清和綜合建物の投資および修繕工事における見積もり業務を革新することを目的としています。
導入の背景と課題
清和綜合建物では、所有する物件の査定を技術部が担当していますが、この業務には長年培った経験と専門知識が求められます。しかし、手作業での見積書の入力や資料の検索に多くの時間がかかり、業務の効率化が課題となっていました。自社内での込み入った査定プロセスを見る限り、特にエクセルへの手入力や部材単価の確認作業が負担となっていました。そこで、THIRDの「工事ロイド」の導入が決定されました。
「工事ロイド」の利点
このAIシステムの導入によって、清和綜合建物は劇的な変化を経験しています。特に、見積データを自動的にエクセルに変換する機能は、これまで手動で行っていた工数を大幅に削減しました。また、部材単価の算定作業も効率化され、照明器具のように多数の部材を扱う際でも、ワンクリックで価格を確認できるようになり、調査にかかる時間を大幅に短縮しました。
さらに、卸値の把握が可能になったことで、発注先との価格交渉にも大きな効果をもたらしています。部材の価格に関する情報が簡単に手に入るため、スムーズな交渉が実現しました。
結果と成果
結果として、清和綜合建物では25件の見積査定業務において、約10時間の時間短縮を達成し、業務効率が顕著に向上したことが示されています。この短縮された時間は、他の業務に充てられるため、全体の生産性向上にも寄与しています。
今後の展望
今後、清和綜合建物は「工事ロイド」を活用してさらなる業務改善を目指しています。AIによるデータ管理の効率化を推進し、過去の見積査定データへの迅速なアクセスが可能となる見込みです。これにより、技術部のノウハウと経験が次第に蓄積され、より的確な査定が行える体制が整います。技術部担当者が不在の場合でも、代替者が見積書を処理できるようになり、業務の互換性も高まるでしょう。
清和綜合建物を代表する大串桂一郎社長は、今後の支援に期待を寄せ、「工事ロイド」の技術向上についてもコメントを残しています。定期的なアフターフォローの実施により、他社の事例を学ぶことで、さらなる成長を図る方針です。
まとめ
「工事ロイド」は、建築工事における適正価格の査定を行うAIシステムとして、その効果が実証されています。今後、さらなる機能拡充やサービスの展開が期待されており、不動産業界に新たな風をもたらす存在となるでしょう。株式会社THIRDは、これからもAI技術を用いて業界を牽引していくことでしょう。