化粧品業界初の水平リサイクルシステム「BEAUTYCLE」の登場

近年、環境問題への関心が高まり、各業界が持続可能性に配慮した取り組みを進めている中、化粧品業界においても新たな動きが見られています。それが、新会社「BEAUTYCLE」の設立です。ツバキスタイル株式会社が運営するこの新たな企業は、化粧品とトイレタリー容器に特化した循環型リサイクルシステムを構築することを目指しています。

「BEAUTYCLE」は佐賀県神埼市に位置する大規模なリサイクル工場を持ち、2023年1月からの操業開始が予定されています。この工場では、化粧品容器の回収から洗浄、粉砕、樹脂化を経て、再び容器として生まれ変わるという水平リサイクルのプロセスが実現されます。特に、ポリエチレンやPP、PETといったプラスチック素材をそれぞれ150トン/月のペースで処理できる設備が整っており、食品用としても利用可能な品質を追求しています。

BEAUTYCLEの取り組みは、従来の飲料用ペットボトルのリサイクルとは異なり、化粧品やトイレタリー製品に特化したものであるため、業界においては初の試みです。また、容器のトレーサビリティを確保することによって、同一製品の容器として再生させることができ、これにより消費者にも信頼性の高いリサイクルシステムを提供します。

この活動には、容器大手のグラセルも資本参加しており、彼らの供給した容器が優先的に回収される計画があります。このように、業界内の連携を強めることで、より効率的なリサイクルが可能になるでしょう。

BEAUTYCLEの設立は、資源と環境の問題に対する世界的なトレンドを反映したもので、2050年までの温室効果ガスの実質ゼロ排出を目指す動きと連携しています。日本でも「プラスチック資源循環促進法」が2022年に施行され、企業としても早期からSDGsへの取り組みを進めており、環境対策樹脂の使用量は業界最大規模を誇ります。これにより、環境に優しい製品作りを強化しています。

さらに、BEAUTYCLEは新日本製薬と連携し、「パーフェクトワンリサイクルプログラム」を展開しています。このプログラムは、パーフェクトワン直営店で使用済み容器を回収するもので、回収された容器はBEAUTYCLEの工場にて再生され、同じ容器として生まれ変わるというものです。全国の直営店舗で行われるこの取り組みも、化粧品業界のリサイクル推進に寄与することが期待されています。

これらの活動を通じて、BEAUTYCLEはSDGsに貢献し、地球環境に配慮した持続可能なリサイクルシステムの実現を目指します。今後も訪問販売や通信販売、理美容店、エステサロンなどの販路を通じて、回収活動を拡大させていく予定です。例えば、業界としての協力を強化し、より多くの消費者にリサイクルの重要性を訴えかけることで、プラスチック資源の循環を可能にするでしょう。

この革新的な取り組みが、化粧品業界全体を変えていくきっかけになることを期待したいですね。BEAUTYCLEの今後の活動にも目が離せません。