2つの側面から見る転職による幸福度向上
最近、プロビティ・グローバルサーチ株式会社が行った研究が注目を集めています。この研究は、社会的意義を持つ転職、通称「ソーシャルグッド転職」が転職者の主観的幸福度を劇的に向上させることを明らかにしました。
実際のデータを通じて、私たちが転職の際に考慮すべき重要なポイントを探ってみましょう。
調査の背景と方法
プロビティ・グローバルサーチは、慶應義塾大学三田キャンパスで2024年12月1日に開催された第13回日本ポジティブサイコロジー医学会学術集会で、米良克美氏と共同で「ソーシャルグッド転職サービスによる主観的幸福度の向上」に関する発表を行いました。この研究は、社会的意義を追求する企業と職希望者をつなげるサービスです。
調査には、当社サービスを利用して転職した20名を対象に、転職前後の幸福度を測定しました。幸福度は、世界幸福度調査で使われるCantril ladder法によって評価されています。
研究結果
調査の結果は驚くべきものでした。転職前の平均幸福度は4.65でしたが、転職後はなんと8.35まで上昇しました。このことは、転職後の幸福度が有意に向上したことを示しており、フィンランド(世界幸福度報告書2024年版で最高得点の7.74)をも上回る結果でした。この結果は、社会貢献型のキャリア選択が個人の幸福度に及ぼす影響を強く裏付けています。
さらに、アンケートからは以下の要因が幸福度に大きく寄与していることも分かりました:
- - 仕事の楽しさ(相関係数:0.78)
- - スキル活用感(相関係数:0.75)
- - 自己成長の実感(相関係数:0.69)
これに対し、年収やリモートワーク等の働き方に対する満足度は、幸福度への影響が比較的低いことが示されています。
アンケートからの言葉
調査参加者のコメントからも、ソーシャルグッド転職の意義が見えてきます。
「自分の仕事が人々の生活に寄与していると実感でき、生きがいを感じる」(30代・男性)
「興味に基づく仕事のおかげで、日々をポジティブに過ごせています」(30代・女性)
「仕事の意義と使命感を感じ、誇りを持って関わることができます」(40代・女性)
これらの言葉は、幸福度向上とともに仕事の価値に対する深い理解を示しています。
専門家の意見
慶應義塾大学の米良克美氏は、「以前の調査では転職回数が増えるほど幸福度が低下することが分かっています。しかし、ソーシャルグッド転職によって幸福度が大幅に向上したことは興味深い。この事例は、前向きな転職が幸福度を高めることを示しています」とコメントしています。
さらに、プロビティ・グローバルサーチの代表取締役、高藤悠子氏も、「ソーシャルグッドな転職が実際に幸福度を向上させる結果となったことは、私たちの信念が正しかったことを示しています。幸せな社員は生産性が高く、創造性も向上します。ここから、より良い社会の実現を目指していきたい」と語っています。
今後の展望と事業内容
プロビティ・グローバルサーチでは、今後も社会課題解決に資するキャリア形成を支援し、より多くの人々が「生きがい」と「幸福」を感じられる社会の実現を目指します。同社は社会的意義を持つ仕事を求める人材と、社会課題に取り組む企業とを結びつけるサービスを提供しています。さらに、転職一件ごとに貧困地域の子どもたちへ教育支援を行うなど、社会の発展に貢献し続けています。
終わりに
このように、ソーシャルグッド転職がもたらす直感的な幸福度の向上は、単なる数値ではありません。人々が自らのキャリアを通じて社会に貢献する喜びが、より大きな幸福感へとつながっています。今後もこの流れが広がり、社会全体がより幸福で充実したものになることを期待しましょう。