量子コンピュータの産業化に向けた新たな開発加速

量子コンピュータの未来を加速する浜松ホトニクスの挑戦

浜松ホトニクス株式会社が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」において、量子コンピュータの産業化を目指す新たなプロジェクトに採択されました。このプロジェクトでは、「量子コンピュータの産業化に向けた光部素材技術の開発」をテーマに、今後3年間で革新的な技術の実現を目指します。

量子コンピュータは、従来のコンピュータでは解決できない複雑な計算問題を解決する能力を持ち、次世代の計算基盤技術として注目されています。世界中での多額の投資やスタートアップの立ち上げにより、産業化に向けた動きは加速度的に進行しています。

プロジェクトの概要

浜松ホトニクスのプロジェクトは、2025年度から2027年度を期間に、量子コンピュータ向けの超高速カメラや、高感度を備えた多画素カメラ、さらに多画素空間光変調器の開発を中心として進められます。これにより、量子コンピュータの性能がさらに向上することが期待されています。特に、中性原子方式の量子コンピュータに向けては、光子数識別機能を成功裏に実現した低ノイズカメラの開発・製造・販売を行い、その技術力は業界内で高く評価されています。

NEDOの支援による本プロジェクトは、国内産業が得意とする部素材の開発やミドルウェア、人材育成にも重点を置いています。これにより、協力企業や研究機関との連携が強化され、幅広い技術の応用が可能になるという利点があります。

期待される成果

このプロジェクトにより、量子コンピュータの安定した動作に欠かせないレーザシステムの波長安定化技術の開発も実施されます。また、産業技術総合研究所や理化学研究所との共同研究を通じて、中性原子方式だけでなく、光量子方式やイオントラップ方式への応用も視野に入れて進められます。最終的には、約30億円の助成金を受けた本プロジェクトから、革新的な技術が生まれることが期待されています。

今後の進展が非常に楽しみです。量子コンピュータの産業化は、私たちの日常生活やビジネスに革命をもたらす可能性を秘めており、浜松ホトニクスの挑戦がその中核を担うことになるでしょう。