AIデータ社とリーガルテック社による知財インフラの再構築
2023年、AIデータ株式会社とリーガルテック株式会社が手を組み、エネルギー・気候テック産業に特化した知財AIとAIファクトリーを基に、新しいビジネスモデルの創出を目指しています。この画期的な取り組みの背景には、温暖化やエネルギー問題に対する日本の企業の課題があります。日本は研究開発において強力ですが、知財ポートフォリオの整理が不十分で、特に国際標準化の面で遅れを取っているのが現状です。
知財管理の現状と課題
日本の企業は再生可能エネルギーやカーボンキャプチャ技術において優位性を持ちながらも、知財の管理が非常に断片的です。太陽光発電、蓄電池、水素技術などでの特許が散在し、企業全体での戦略が描かれていないという課題があります。また、国際的な競争力の面でも欧州や中国に後れを取っており、グリーンディールや国家政策による知財戦略が求められています。
加えて、知財のマネタイズ基盤が脆弱であり、研究投資の回収も困難です。これらの問題を解決するため、AIデータ社とリーガルテック社は新たな知財インフラを構築することを決定しました。
知財AI × AIファクトリーの新たな価値
今回のプロジェクトでは、『Tokkyo.Ai』を用いて特許分析を行います。これにより、各業界ごとの特許を可視化し、競合企業や国ごとの特許動向をリアルタイムで分析できるようになります。この情報を基に企業は、優位性のある領域を見出すことが可能となります。また、『AI IPGenius on IDX』では知財戦略を設計し、発明から特許出願までのプロセスをスピードアップ。カーボンクレジットや環境規制対応とリンクさせ、ビジネスの実現を支援します。
さらに、知財マーケットプレイスの構築により、GX関連技術のライセンスや共同開発契約の活性化も図ります。この仕組みを通じて、特許の価値診断をAIが行い、透明性のある評価を企業や投資家に提供します。
期待される効果
この新たな取り組みの結果、再生可能エネルギーや水素社会に向けてのGXが加速します。また、知財を基盤にした国際競争力の強化や、研究開発への再投資を促進するための投資循環の強化も期待されます。これにより、日本がグローバルGX市場をリードするための知財インフラが実現するでしょう。
企業概要
AIデータ株式会社は、20年以上にわたり企業や個人のデータ資産を守り活用する事業を展開してきました。特許検索支援システム『Tokkyo.Ai』や特許売買が可能なIPマーケットプレイスを通じて、知財管理や収益化を支援しています。リーガルテック株式会社もまた、特許調査や共同開発支援プラットフォームの提供を行い、企業にとって欠かせないパートナーです。
この二社による共同プロジェクトは、AX時代の進化するエネルギー・気候テック分野におけるビジネスモデルの構築に、大きく寄与することが期待されています。