みやぎ県南中核病院に導入されたAI音声文字起こし「SecureMemo」の効果とは

みやぎ県南中核病院のAI音声文字起こし導入事例

最近、医療分野でデジタル化が進む中、みやぎ県南中核病院での新たな試みが注目されています。それは、Nishika株式会社が提供するAI音声文字起こしソリューション「SecureMemo」の導入です。この施策は、従来の文字起こし作業の効率化と質の向上を実現しています。本稿では、その具体的な導入経緯や成果について詳述します。

課題と背景

院内においては、会議や委員会の議事録作成が不可欠です。特に逐語録を求められる重要な会議では、ICレコーダーの音声を手動で文字起こしする手間が大きく、数日を要することが一般的でした。このため、担当者は会議後も記録作業に時間を割かれることで他の業務が滞り、負担が増加していました。医療現場ではデジタルトランスフォーメーション（DX）が進行しており、紙ベースや手作業からの脱却が強く求められていました。

導入の決定理由

「SecureMemo」の導入に至った理由は数点あります。まず、日本語の音声認識技術に特化した高精度なAIが搭載されていて、医療専門用語や特有の会話内容にも対応できる利点がありました。さらに、セキュリティ面にも配慮されており、院内の機微情報を安心して処理できることが重要視されました。また、ユーザーインターフェースが直感的であり、煩雑な操作が不要だったため、限られたリソースでも迅速に運用できるとの判断がなされました。

導入後の成果

「SecureMemo」を導入したことにより、手作業で3日かかっていた逐語録の作成が約1日で完了できるようになり、大幅な時間削減が実現しました。新人スタッフからも「AIが生成したテキストの確認や修正が楽になった」という声が上がり、業務フローが定着しています。加えて、締切に迫られるストレスが軽減され、議事録作成の質と迅速な対応が可能になったことも、大きな効果と言えるでしょう。

公立病院特有の議員参画が必要な会議など、逐語録が求められるシチュエーションでも柔軟に対応可能となっており、その適応力には評価が集まっています。

活用方法と今後の展望

現在、「SecureMemo」は院内の様々な事務系会議や委員会、さらに議員参加の重要会合での議事録作成に活用されています。今後は院内研修用の動画に字幕を付けるという新たなプロジェクトも検討されており、教育や研修分野での応用も視野に入れています。これにより、院内の情報共有がよりスムーズになることが期待されているのです。

「SecureMemo」について

「SecureMemo」は、医療現場に特化した音声文字起こしソフトウェアであり、96.2%の高精度を誇る独自開発のAIを使用しています。これにより、混雑した音声や明確でない発言も正確に文字起こしが可能であり、業務の効率化と品質向上に貢献しています。

また、クラウド型サービス「SecureMemoCloud」も展開されており、特に多言語対応に優れている点が注目されています。約100言語の音声を処理することができ、国際的な会議やビジネスシーンでも活用できます。