水素圧縮機市場に新風
富山県滑川市に本社を構える株式会社スギノマシンは、カーボンニュートラルへの取り組みを強化し、新たに大容量の水素圧縮機用ブースターの供給を開始しました。この水素ブースターは、主にバスやトラックなど燃料電池大型商用車(FC HDV)向けの大規模水素ステーションに対応しています。
1. 大容量モデル水素圧縮機の詳細
スギノマシンが供給を開始したのは、川崎重工業製の油圧ブースター式水素圧縮機です。この圧縮機は、既存の中規模水素ステーション向けモデルの性能を向上させたものです。具体的には、当社が共同開発した水素ブースターを組み合わせることで、300 Nm3/hから600 Nm3/hへと供給能力を増強しました。
この中には、川崎重工業の技術とスギノマシンの高度な水圧縮技術が融合しています。新たなモデルは、より多くの水素を迅速に供給できるよう設計されており、水素ステーションでの充填時間を大幅に短縮することが期待されています。
2. 水素ブースターの特性と利点
スギノマシンの水素ブースターは、高圧テストによってその耐久性を厳しく確認されており、最大で82MPaGの圧力で作動します。過酷な条件でも高い信頼性を維持できるように設計されており、メンテナンスの容易さも重視されています。この特徴により、ランニングコストの低減が可能です。
特に水素ステーションでは、各種の供給形態に対応できる柔軟性も兼ね備えているため、顧客の多様なニーズに応えることができます。
3. 市場のニーズに応えた新戦略
近年、FC HDVの需要が高まっていることから、水素を高速かつ大量に供給できるインフラの整備が急務とされています。スギノマシンは、2021年度から川崎重工業と協力し、この水素圧縮機用ブースターの開発に取り組んできました。2030年までにFCV(燃料電池自動車)の市場拡大が予想される中、さらなる水素供給体制の構築は、今後の産業戦略において非常に重要です。
4. 未来に向けた展望
スギノマシンは、今後も超高圧技術を駆使し、持続可能な社会を実現するためのカーボンニュートラルへの貢献に注力する方針です。新たに提供される水素ブースターは、その一環としての重要な役割を果たすと考えられています。これにより、日本国内の水素エネルギーの普及が進むことが期待されます。
5. 会社概要
株式会社スギノマシンは、1936年に創立され、高圧ジェット洗浄装置や超高圧水切断装置などの開発と製造を手掛けています。その豊富な経験と技術を基に、今後も革新的な製品を市場に提供し続けるでしょう。
詳細は
株式会社スギノマシンの公式サイトをご覧ください。