医療ミステリーの新星、リツ・ムケルジの『裁きのメス』
新潮文庫から、エドガー賞新人賞にノミネートされたリツ・ムケルジの傑作医療ミステリー『裁きのメス』が2025年6月25日に発売されることが決定しました。この作品は、南北戦争終戦後のフィラデルフィアを舞台に、女性医師リディアが直面する謎と真実を描いています。
物語の舞台とキャラクター
19世紀のフィラデルフィアは、戦争の傷跡を引きずる時代。医療の進展に伴い、解剖学の教授であるリディアは少数派の女性医師として貧しい人々の医療に貢献すべく、夜間塾を開催。彼女の教え子であり親友のアンナが突然行方不明になったところから、物語は始まります。アンナの失踪の数日後、郊外の川で発見された年若い女性の水死体が、リディアの心に不安の火を灯します。
謎とサスペンス
遺体は、リディアの知り合いであることがわかり、警察は自殺の可能性を示唆します。しかし、リディアは単なる自殺として片付けられないと考え、独自に捜査を開始します。彼女は見つけた謎めいた手帳、身分違いの恋人の存在、さらに不可解な火災と、数々のピースを手に入れ、真実に近づこうとします。
リディアの成長と挑戦
物語が進むにつれて、リディアは医学の知識を駆使して、数々の困難に直面しながらも真相を解き明かしていく姿が描かれています。自身への暴力も脅かす中、彼女が掴んだ真実とは一体何か。読者は、リディアの成長とともに、サスペンスの中に引き込まれていきます。
著者、リツ・ムケルジについて
リツ・ムケルジはインド出身で、サンフランシスコで育ちました。彼女はコロンビア大学で歴史を学び、フィラデルフィアのトーマス・ジェファーソン大学で医学を取得。医師としての経験を生かし、本作を執筆しました。また、彼女はカリフォルニアに在住しており、創造的な作品を次々と発表しています。
訳者、小西敦子の魅力
本書の翻訳を手掛ける小西敦子は、東京女子大学哲学科卒業後、出版社での経験を経て、翻訳家としての道に進みました。多くの著名な作家の作品を手掛け、高い評価を受けています。
書籍情報
- - 書名: 裁きのメス
- - 著者: リツ・ムケルジ
- - 発売日: 2025年6月25日
- - 定価: 1100円(税込)
- - ISBN: 978-4-10-240961-9
新潮文庫の公式ウェブサイトからも、詳細な情報を閲覧できます。ミステリー好きな方だけでなく、女性の強さや挑戦を描いた作品を求めるすべての読者にお勧めの一冊です。