日本サーモエナーが水素焚きの新機器をトヨタに提供
2024年10月、日本サーモエナーは世界初の水素焚き真空式温水発生機「ゼロエミッション バコティンヒーター」の初号機をトヨタ自動車北海道に納入しました。この新しい技術は、2030年代の脱炭素化目標に向けた重要な一歩となります。
ゼロエミッション バコティンヒーターとは
「ゼロエミッション バコティンヒーター(GTL-300ZE型)」は、日本サーモエナーが2023年5月に販売を開始した最新の温水発生機です。主燃料として水素を使うだけでなく、火を起こす際にも水素を利用するため、化石燃料を一切使用しない構造となっています。このため、使用時にCO2を排出しない「ゼロエミッション」を実現しています。
トヨタ自動車北海道は、苫小牧市で進行中の「令和5年度 既存のインフラを活用した水素供給低コスト化に向けたモデル構築・実証事業」に参加しており、この事業の一環として新しい温水発生機が導入されました。これにより、同社の福利厚生施設での熱源としての機能が期待されています。稼働は2025年1月からを予定しています。
脱炭素化への貢献
日本サーモエナーは、今後も水素やバイオマスなどの再生可能エネルギーを活用した熱源装置の開発に注力度を高め、環境負荷の低減に貢献する考えです。拡大する脱炭素化市場のニーズに応えるべく、革新的な製品の展開に取り組みます。
「バコティンヒーター」の特長
「バコティンヒーター」は、1975年に日本サーモエナーが初めて製品化した真空式の温水発生機です。熱効率が非常に高く、安全性も合格点を得ており、日本の病院や温浴施設、宿泊施設など多岐にわたる分野で使用されています。
真空状態で水を加熱することにより、少ないエネルギーで水を温めることが可能です。また、この機器は「ボイラー及び圧力容器安全規則」の適用を受けていないため、取扱資格がなくても使用できる利便性があります。
環境に優しい未来を目指して
2035年に向けた日本の脱炭素化の取り組みは、ますます重要になっています。「ゼロエミッション バコティンヒーター」は、環境負荷を大幅に削減する新しいエネルギー源となることで、日本社会全体の持続可能性を高めることに寄与するでしょう。今後、日本サーモエナーがどのような新しい取り組みを進めていくのか、注目が集まります。