電通が打ち出す新しいスポーツ広告の測定手法
株式会社電通は、スポーツ協賛市場における広告効果の可視化を進めるため、革新的な新ソリューションを開発しました。このプラットフォーム「Relo Metrics」は、スポーツ中継内の看板広告やロゴの露出をAIで分析し、企業に対する認知度や好感度にどれだけ影響があるのかを明らかにします。このシステムは、電通が提供するテレビ実視聴データを活用した統合マーケティング基盤「STADIA360」と連携しており、企業の広告投資の効果を高めるサポートをします。
スポーツ広告の測定における課題
近年、企業によるスポーツスポンサーシップが増加していますが、これまでの評価方法は主に露出量や換算価値に焦点が当てられていました。具体的には、スポーツ中継での看板の視認性やユニフォームに描かれるロゴなどが制約されがちでした。企業のマーケティング活動により直接的な影響を持つ、広告接触者と企業の認知・好感度との関係性が十分に可視化されないという問題がありました。
この新ソリューションの開発によって、電通はこの課題を解決しようとしています。具体的には、以下の手法を用いて実証分析を行っています。
実証分析の方法
1.
Relo Metricsが中継映像からJERAの広告を検出: 各フレームから特定のロゴや広告を見つけ出し、その露出時間を正確に測定します。
2.
露出データと視聴データの連携: STADIA360を通じて、視聴者の識別番号をもとに、広告接触者と非接触者を比較します。
3.
アンケート調査を実施: 看板広告に接触したグループとそうでないグループで、企業の認知度や好感度に違いがあるかを調査します。
4.
露出フォーマット別分析: 様々な広告形式(例:バックネット看板、ヘルメットロゴなど)ごとに異なった効果を分析します。
5.
CMとの重複接触データも活用: 看板広告だけでなく、テレビCMとの関連性も含めて評価します。
この分析によると、看板広告接触者の企業認知は非接触者と比べて約108.5%も高く、好感度も107.5%に達しました。特に、看板広告とテレビCMを組み合わせることで、企業認知は112.5%、好感度は110.5%まで向上したことが明らかになっています。
企業への影響と今後の展望
このソリューションは、単に広告露出量やその換算価値を算出するだけではありません。看板広告接触者の抽出、企業認知・好感度の分析、CMとの関連性、掲出のフォーマット別の違いや効果まで、同じ設計で多角的に分析することが可能です。これによって、企業は自身のスポーツ広告の影響を詳細に理解し、それに基づいたマーケティング施策の改善が期待できます。
電通は、スポーツ協賛におけるメディア露出と消費者の意識との関連を引き続き分析し、企業のスポーツマーケティング活動における施策の評価や改善の支援を続けていく方針です。この新しい技術によって、より効果的な広告戦略が実現されることを期待しています。
参考リンク