伊集院静が贈る美の旅人イタリアへ、シリーズ完結に向けた渾身の作品

伊集院静の美の旅人イタリアへ

伊集院静による新たな著書『美の旅人イタリアへ』が、2025年11月19日に刊行されます。この本は、スペイン、フランスを巡る旅の成果をまとめた三部作の最終章であり、著者が長年心血を注いできたテーマを結実させた作品です。著者は、イタリア・ルネサンスの偉大なアーティストたち、特にレオナルド・ダ・ヴィンチに焦点を当て、その思想や作品の本質を紐解こうとしています。

この貴重な著書は、レオナルド・ダ・ヴィンチのみならず、ミケランジェロやラファエッロなどの名作も紹介し、彼らの芸術的追求を通じてイタリアの美の世界を深く探ります。著者は、「運命の一枚」に出逢うために、30年以上にわたって旅をし続けたと語り、本書へとその思いを込めました。

イタリアの芸術と歴史

イタリアは長い歴史の中で、多くの芸術家を輩出してきました。特にルネサンス時代は、革新的な思想や芸術が誕生した重要な時代です。本書では、レオナルド・ダ・ヴィンチが生まれ育ったヴィンチ村から、フィレンツェやミラノ、ローマ、ボローニャ、そして彼が最期を迎えたフランス・アンボワーズに至るまで、彼の生涯を辿ります。著者はその土地を三度訪れる中で、自らの撮影した数々の写真を添えています。

未完の遺稿と新たな視点

この本は、未完の遺稿も収録されており、ダ・ヴィンチの作家としての葛藤や、彼が追求した美の理想が伺えます。例えば、ダ・ヴィンチの名画『最後の晩餐』を前にし、一瞬静止する鑑賞者の姿は、作品の持つ力強さを物語っています。同様に『モナ・リザ』についての考察も、未完成さが逆に何かを与えてくれると述べています。