ハイケム株式会社は、清華大学が設立したバイオベンチャー企業であるPhaBuilder社との提携を発表しました。PhaBuilder社は、中国・北京を拠点に活動しており、海においても分解可能な生分解性プラスチック「PHA(ポリヒドロキシアルカノエート)」を製造しています。この契約により、ハイケムは日本市場でPHA製品の販売代理店としての役割を果たしていくことになります。
PHAは、微生物の力で水と二酸化炭素に分解される特性を持ち、地球環境への負荷を軽減する可能性を秘めています。近年、海洋プラスチック問題が国際的な課題として取り上げられる中、PHAのような持続可能な素材は、その解決策の一環として注目されています。
清華大学発のPhaBuilder社は、陳国強教授の指導のもと、30年以上の研究成果を基に設立されました。PHA製品の製造に関しては、自社ブランド「PHALife™」や「PHAmily®」を展開し、多様な用途に対応しています。また、最近はPHAを100%使用した新製品の開発にも取り組み、様々な素材との複合化を進めています。このような製品開発を進めることで、PhaBuilderは海洋分解性を持つ製品のバリエーションを増やしていく計画を描いています。
一方、ハイケムは2019年からポリ乳酸(PLA)の大手製造企業と提携し、持続可能な素材の開発に積極的に取り組んできました。最近では、トウモロコシを原料とするPLA繊維、「HIGHLACT®」を発表し、グローバルな展開を目指しています。さらには、CO2を用いた新たな材料開発や、バイオ分解性プラスチックの普及にも注力しています。
この提携によって、PhaBuilder社が持つ先進的なバイオプラスチック技術と、ハイケムの経験が融合し、新たなサステナブルプラスチックの市場開拓が期待されます。また、PhaBuilderは北京の工業園区に新たなプラントを建設し、生産能力の向上も図る予定です。
数年内には3~5つの大規模な製造プラントが設立され、ハイケムとPhaBuilderの連携によって、日本国内でも海洋プラスチック問題の解決に寄与する製品が広まりそうです。ハイケムは、今後も新しい技術の探索と、サステナブルな素材商事を進めていく構えです。
企業情報
所在地:東京都港区虎ノ門1丁目3番1号東京虎ノ門グローバルスクエア11階
代表取締役社長:高潮
事業内容:化学品の輸出入販売、生分解性材料など
所在地:北京市順義区
董事長:徐絢明
生分解性プラスチックの製造・開発
両社の提携によって、これからの時代のサステナブルな素材への期待が一層高まります。