三菱重工と三菱電機、次世代ガスタービン制御システム機能試験を完了

次世代ガスタービン制御システムの機能試験完了



三菱重工業株式会社(以下、三菱重工)と三菱電機株式会社(以下、三菱電機)は、共同で開発した火力発電プラント向けの「次世代ガスタービン制御システム」に関する機能試験を無事に完了しました。この新しい制御システムは、両社の技術を融合させたものであり、発電用大型ガスタービンの運転を最適に制御することを目的としています。これにより、安定的で効率的な発電が実現されることが期待されています。

本システムの特長は、再生可能エネルギーの発電量の変動を補完する迅速な負荷調整機能や、天然ガスと水素といった多様な燃料に対応する高度な制御が可能な点です。このような技術の進化は、特に脱炭素化が進む現代のエネルギー業界において、非常に重要な役割を果たします。

実際に機能試験では、ガスタービンの大型化とその性能向上に伴い、大容量化される運転データを効率良く処理できることが確認されました。今後は、2026年度の市場投入を見越し、実機を模擬したシステム検証試験も行う予定です。

現在のニーズと技術の進化



ガスタービン制御システムは、ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備などの発電プラントにとって、重要な要素の一つです。三菱重工は1980年代後半から、国内外の発電プラント向けに、保守サポートや安全への要求に応える高稼働率の制御システムを開発・提供してきました。その中で、独自に開発した「DIASYS」シリーズは、60カ国以上にわたる海外の発電プラントや国内産業用プラントにおいて約3,000件以上の導入実績があります。

一方で、三菱電機も1980年から、国内電力会社の規格に応じた計装制御システム「MELSEP」シリーズを火力・水力発電プラント向けに提供しており、これまでに1,000件以上の納入実績がございます。これらの取り組みは、電力の安定供給に多大な貢献をしています。

今後の展望



最近では、再生可能エネルギーの普及が進む中で、発電量変動への迅速な対応が求められています。特に、天然ガスと水素の混焼といった新しい燃料戦略により、より柔軟な運用が可能な火力発電プラントの運用が重要視されています。三菱重工と三菱電機は、このような変化するニーズに応えるために、最適制御に強みを持つ三菱重工の制御技術と、大容量データに対応可能な三菱電機の高速データ処理技術を一体化した次世代ガスタービン制御システムの共同開発を進めています。

この新システムの開発を通じて、両社は世界の経済成長に不可欠な電力の安定供給を確保しつつ、エネルギーの脱炭素化を進め、持続可能な地球環境の保全にも貢献することを目指しています。

会社情報

会社名
三菱重工業株式会社
住所
東京都千代田区丸の内三丁目2番3号丸の内二重橋ビル
電話番号
03-6275-6200

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