DIC丸の内と三菱地所の革新の連携
VALT JAPAN株式会社(以下、VALT JAPAN)と三菱地所株式会社(以下、三菱地所)は、障がい者専用のデジタルサポートセンター「デジタルイノベーションセンター丸の内」(DIC丸の内)の事業拡大に向けた新たな取り組みを始めることを発表しました。この連携は、障がい者の就労支援を革新する可能性を秘めており、丸の内エリアにおけるインクルーシブ社会の実現に寄与すると期待されています。
VALT JAPANは障がい者特化型のDXプラットフォーム「NEXT HERO」を展開しており、一方の三菱地所も「まちまるごとワークプレイス構想」を推進しています。今回の連携により、この二つの取り組みを組み合わせ、障がい者が企業活動に参加できる新たな道を切り開くことが目指されます。
目的と背景
国内には、約1,500万人もの就労困難者が存在すると言われ、障がい者の一般就職率はわずか6%程度に留まっています。この背景には、様々な社会的要因が影響していますが、主に障がいに対する理解不足や就労環境の整備が課題とされています。このような状況の中で、VALT JAPANと三菱地所は、共に障がい者の新たな活躍の場を提供するためのプラットフォームを整備し始めています。
DIC丸の内は、障がい者がデジタル関連の業務を行うための場を提供し、企業のニーズに応じた多様な機会を提供します。今後、DIC丸の内は特に精神障がい者や発達障がい者を対象とし、彼らのデジタルスキルを活かすための取り組みを進める予定です。
連携の具体的内容
本発表に伴い、メディアコンテンツ「IX LIVE」と連動した公開収録イベントを含む、さまざまなコンテンツ制作が計画されています。このトーク番組では、異なる業界からゲストを招き、業界間の交流を促進することを目的としています。これにより、企業同士の連携や、リアルなコミュニティとのつながりを深め、新たなビジネス機会を見出すことが期待されています。
さらに、TMIP(Tokyo Marunouchi Innovation Platform)を活用した商談機会の創出にも取り組みます。約350の企業が参加するTMIPネットワークを通じて、大企業とスタートアップのコラボレーションが促進され、障がい者の能力と企業ニーズを結びつける仕組みが構築されます。
この連携による効果検証は、2025年8月から2026年1月にかけて行われ、実際の成果を基に事業運営の改善やさらなる拡大を図る土台として活用される予定です。
注目のイベント
最初の公開収録イベントは2025年8月22日に開催され、「“問い直す力”が社会を変える——クリティカル・ビジネスとIXの交差点」というテーマで、独立研究者の山口周氏がゲストとして参加します。このイベントは、VALT JAPAN代表の小野貴也氏との対話を通じて、さまざまな視点からの意見交換が期待されています。
社会への影響と今後の展望
このような取り組みは、障がい者の社会参加を推進し、企業活動の多様化に役立つことが期待されます。また、VALT JAPANと三菱地所の連携は、丸の内エリア全体のビジネス環境を向上させ、さらなるイノベーションの創出に繋がることでしょう。「DIC丸の内」の成功をきっかけに、全国での新たなモデルケースの確立が目指されています。これにより、あらゆる人々が活躍できるインクルーシブな社会の実現が視野に入ってきます。
このようにVALT JAPANと三菱地所の連携は、障がい者の就労支援において新たな光をもたらすものとなりそうです。地域全体が一丸となって社会課題に取り組み、包括的な働き方の促進に貢献するこの試みに、今後の展開から目が離せません。