inahoが発表した最新型トマト収穫ロボット
野菜の自動収穫ロボットを開発する
inaho株式会社が、自律型トマト収穫ロボットの最新モデルを発表しました。この新型ロボットは、商用化に向けた量産体制を整えることを目指しており、多くの農業関係者の注目を集めています。オランダとの提携による実地テストを夏に控え、農業の未来に向けた取り組みが加速しています。
モデル刷新の理由
これまでの開発過程で、inahoは現場での安定稼働や商用化に向けていくつかの困難に直面してきました。新型モデルは、これらの課題を克服するために、ハードウェアや回路アーキテクチャを革新し、機能の大幅な改良を図っています。これにより、収穫作業がより効率的かつ行いやすくなることが期待されています。
機能向上のポイント
1. 精度・速度・耐久性の向上
新モデルには、産業用グレードのモーター、減速機、センサー、カメラが搭載され、精度や動作速度、耐久性が飛躍的に向上しました。これにより、収穫の効率が大幅に改善され、農業従事者の負担が軽減されるでしょう。
2. エンドエフェクター部の強化
外部パートナーと共同で開発した新しいベルトは、トマトの収穫に最適化されています。これにより、よりスムーズかつ安全な収穫が可能となります。
3. 滑らかなデザインの採用
全体のデザインは、滑らかな曲面構造に改良され、作物や環境へのダメージを最小限に抑えることができるようになっています。枝や茎に引っかかりにくく、収穫がよりスムーズに行えるのです。
4. 迅速な認識のためのカメラ搭載
左右にそれぞれカメラが設置されていることで、収穫作業の認識時間が大幅に短縮されました。この機能によって、生産性が向上し、全体の作業効率が飛躍的に高まることが見込まれます。
5. 収穫物の損傷リスク低減
新型モデルには、収穫物をカゴの近くまで慎重に下ろし、放す制御機能が追加されています。これにより、落下や損傷のリスクを大幅に低減し、より安全な収穫が実現します。
未来への展望
この新型トマト収穫ロボットは、2025年6月から11月にかけてオランダの提携圃場で実地テストを行う予定です。オランダはハウス栽培の先進国で、人件費高騰の影響もあり収穫ロボットの導入が進んでいます。このテストを通じて国際市場での競争力を高め、さらなる製品改善とコスト削減に努める方針です。また、オランダでの成功を基に日本のハウス栽培にも適した機械仕様を開発し、人手不足の解消や労働の効率化に寄与することを目指しています。
積極的な人材募集
これらの取り組みをより一層推進するためには、優れた人材の確保が不可欠です。inahoでは農業の未来を切り拓く仲間を募集中で、ロボティクスエンジニアや制御エンジニア、メカエンジニアを積極採用しています。詳細は公式採用ページをご覧ください。
農業界の課題
農業界は気候変動の影響でハウス栽培が注目される一方、機械化が進んでいないという課題に直面しています。特にトマトのような選択収穫作物は収穫作業が多くを占めているため、省力化の影響が大きいとされています。日本ではまだ機械化が十分ではなく、労働力不足の深刻さが問題とされています。inahoの新型収穫ロボットがこれらの課題を乗り越える力となることが期待されます。