株式会社Arrowsmithが推進するファージセラピーの未来
茨城県つくば市を拠点に活動する『株式会社Arrowsmith』が、ジャフコ グループ株式会社やJICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社を引受先とする第三者割当増資によって、プレシリーズAラウンドで総額3億円の資金調達を完了しました。さらに、同社のリーダープログラムである緑膿菌感染症向けのファージカクテル『ARW001』が、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の創薬ベンチャーエコシステム強化事業に採択され、4.6億円の補助金を得ることに成功しました。
ファージセラピーとは、細菌の天敵とされるバクテリオファージを利用した新しい治療法です。医薬品が効かない細菌感染症や治療が難しい感染症に対して、革新的なアプローチを提供します。Arrowsmithは、2020年から始まったアステラス製薬と岐阜大学の共同研究の成果を取り入れ、数多くの医薬品候補を発展させています。特に注目を集める『ARW001』は、様々な種類のファージを組み合わせ、幅広い宿主域や高い殺菌性を兼ね備えた一品です。
同社の代表取締役である安藤弘樹氏は、「サイレントパンデミック」と呼ばれる薬剤耐性細菌感染症の問題が深刻であり、ファージセラピーこそが新たな治療の選択肢になると信じています。今回の資金調達を受けて、ARW001の非臨床試験や臨床試験を加速し、治療法の社会実装を目指す意思が示されています。
また、出資者からも期待の声が寄せられています。JAFCOの小林泰良氏は、「ファージ活用によって多剤耐性菌への対策が可能になる」とし、安藤CEOを中心にした同社の取り組みを支持しています。また、JIC-VGIの林隼氏も、Arrowsmithが日本の健康長寿社会実現へ貢献することを期待し、出資を決定。ファージセラピーによる新しい治療法が、今後の医療にどのように寄与するのか、大いに注目が集まります。
Arrowsmithのビジョンと研究拡大
Arrowsmithは、ファージセラピーの研究開発を通じて、細菌感染症に新しい道を開くことを目指しています。特に『ARW001』には、独自の合成改変法により改変型ファージが含まれており、緑膿菌に対する効果をさらに向上させています。これにより、治療が困難なバイオフィルムの効率的な分解も可能となり、その応用範囲は非常に広いです。
同社はこの資金調達によって、今後の研究開発を加速させ、さまざまな細菌感染症に対する治療法を提供することを目指しています。このような新しい技術が、今後の医療の風景をどのように変えていくのか、期待がかかります。ファージセラピーの実用化に向けて、Arrowsmithがどのような成果を挙げるのか、今後の進展に注目です。
会社概要
- - 会社名: 株式会社Arrowsmith
- - 所在地: 茨城県つくば市御幸が丘27番地SakuLab-Tsukuba
- - 設立日: 2025年2月3日
- - 代表者: 安藤 弘樹(代表取締役CEO CScO)
- - 事業内容: 細菌感染症に対する新規治療薬の研究・開発・製造・販売。次世代ファージセラピーの提供。
- - ウェブサイト: arrowsmith.co.jp
- - 問い合わせ先: 問い合わせフォーム