次世代を担う海洋研究者育成プログラムが神奈川でスタート!
2025年9月15日、神奈川県立生命の星・地球博物館で行われたのは、海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクトの5期生に向けた特別授業です。このプロジェクトは、全国から選抜された多くの中学生が参加し、次世代の海洋生物研究の人材を育成することを目的としています。このプログラムは、日本財団が支援する「海と日本プロジェクト」の一環として実施され、海の環境と人とのつながりを意識する重要な経験となります。
授業の概要
プログラムの参加者は、中学1年生から3年生までの選ばれた10名で、この日は学芸員や外部研究員との連携により、詳細な講義と普段非公開のバックヤード見学が行われました。参加者たちは、11時から15時30分まで、実際の標本や資料登録のプロセスについて学びました。
例えば、魚を採集し、それを如何にして標本として保存するのか、また、その意義は何かという説明が行われました。緒方悠輝也先生からは実際の体験を交えながら解説され、参加者は興味深そうに耳を傾けました。特に、標本がどのように未来の研究に役立つのかという話は、参加者たちに強い印象を与えたようです。
厳選された環境での体験
又、和田英敏先生の指導の下、研究生たちは特別な展示室で「消える魚たち」について学びました。この展示は、絶滅危惧種や消えつつある魚の現状を示すもので、話を聞いた参加者は、環境問題への意識を高めることができました。実際に、危機に瀕している魚や絶滅が確認されている種についての解説も行われ、参加者たちは、その貴重さを実感しました。
バックヤード見学の魅力
授業の後半では、参加者たちは普段は入ることができない博物館のバックヤードへ案内されました。和田先生の指導で、珍しい「イズベニハゼ」の標本を観察しながら、研究者としての視点を学ぶ機会が与えられました。この体験は、参加者の探究心を大いに刺激したことでしょう。標品製作室ではサメの歯の違いについての講義もあり、食性や生息環境に基づく形状の違いについても学びました。
研究生たちの成長
この特別授業は、中学生たちにとって自らの研究を見つめ直す貴重な機会となり、今後の研究活動へとつながる多くの知見をもたらしました。他の研究生たちの意見からも、標本の収集や保存方法、絶滅危惧種への意識が高まったことが窺えます。
今後の展望
本プロジェクトは、約8ヶ月間にわたり研究を続け、各自が取り組んだ海洋生物についても発表します。専門家に触れる経験は参加者たちの学びを深め、今後の海洋研究を担う大きな一歩となることでしょう。
「海と日本プロジェクト」の一環としてのこの試みは、海についての理解を深め、次世代へと豊かで美しい海を引き継ぐためにも極めて重要な施策です。参加した学生たちは、これからの日本において貴重な研究の担い手となることでしょう。