株式会社Interbeing、ライフテックグランプリ2025で三冠受賞の快挙を達成

2025年10月25日に開催された「ライフテックグランプリ2025」において、株式会社Interbeingは最優秀賞、太陽誘電賞、一般投票1位の3冠を獲得しました。この栄誉は、同社が開発した「声から関係性の質を可視化する音声解析技術」によるものです。この技術は、音声データから感情や意欲、ストレスなどを定量化し、人との関係性を測定することができます。

ライフテックグランプリとは？

ライフテックグランプリは、革新的なディープテックがライフサイエンス領域でどのように社会に実装されるかを競うコンテストであり、株式会社リバネスが運営しています。本年度は国内外から335のチームが応募した中で、選抜された12チームがファイナリストとして登壇しました。

受賞の背景

Interbeingの代表である大成弘子は、データサイエンティストの視点から「人々の幸福追求のために役立つ技術を開発したい」という信念を持っており、それが技術開発の動機となっています。この技術によって、従来のアンケート調査では正確に把握できないストレス状態や感情が声を通じて可視化され、実態の把握が容易になります。

音声解析技術の詳細

Interbeingが開発した音声解析技術は、日常的な会話や商談、会議の中で、音声から700種類以上の特徴量を抽出し、その情報をもとに35項目の感情スコアを算出します。この技術は言語に依存しないため、国や文化を超えて利用可能です。

主な指標

- 感情（喜び、怒りなど）
- 意欲
- ストレス
- 利他性

これらのスコアにより、人と人との関係性の質を定量化し、理解を深めることが可能になります。

大きな実証成果

このグランプリで高く評価されたのは、「データを人を幸せにする力に変えたい」とのビジョンへの支持にあたります。

1. バーンアウトの推定
声だけでのストレス状態の推定に成功し、医学的な燃え尽き度の尺度（MBI）と高い相関が示されました。これにより、センシティブな状態を早期に捉える可能性が実証されました。

2. 会議の状態の可視化
音声から組織内での意欲やストレスを測定し、会議の状態を数値化することができました。
- 意欲が高くストレスが低い状態
- 活気や緊張感に乏しい状態
- 負荷が大きいが熱量のある状態

このようなパターンを識別することで、組織の場づくりに対する振り返りや改善を可能にします。

3. 商談成果との相関
商談音声解析による成功要因の確認も行い、例えば成功した商談では「喜び・興奮」が強調され、不成立ではフラットな感情状態が続くという傾向が観察されました。これは企業にとって重要な洞察となります。