日本、アフガニスタンのポリオ根絶に向けた新たな支援
2025年7月10日、カブールからのニュースによると、日本政府はアフガニスタンにおけるポリオの根絶を目指して、国際協力機構(JICA)を通じ、国連児童基金(UNICEF)に対して7億1,400万円の無償資金協力を行うことを決定しました。この取り組みは、アフガニスタンのすべての34県で12ヶ月にわたり実施され、1,300万人以上の子どもたちにポリオワクチンを提供する予定です。
ポリオ根絶への道のり
アフガニスタンの母子保健指標は、依然として世界最低レベルであり、特に5歳未満の死亡率は高いままです。過去20年間で、少しずつ改善が見られましたが、依然として予防接種サービスへのアクセスには多くの課題があります。この国は、野生株ポリオウイルスが残る最後の2カ国の一つであり、感染リスクが高いと言われています。
2023年にはポリオの感染が再び拡大し、特にアクセスが難しい地域や移動生活を送る人々の間で免疫格差が目立つようになっています。このため、定期的で全国規模の予防接種キャンペーンが極めて重要です。最近の取り組みにより、コールドチェーンの強化や全国的な予防接種率の向上が見られましたが、それでも支援が届かないコミュニティでは大きな格差が残っています。
日本政府の取り組み
在アフガニスタン日本国大使館の黒宮貴義大使は、日本政府がアフガニスタンにおけるポリオ根絶の重要性に気づいていると述べ、20年以上の支援の成果が少しずつ見えていると強調しました。「この新たな取り組みにより、全ての子どもたちの健康と生活向上に寄与したい」と希望を述べました。
UNICEFアフガニスタン事務所の代表、タジュディーン・オイワレは、日本の支援がアフガニスタンの子どもたちに大きな影響を与えると確信しています。この資金により、支援の届きにくい地域にも質の高い予防接種サービスが提供可能となり、ポリオ根絶への大きな一歩を踏み出せるでしょう。
今後の展望
このプロジェクトは、ポリオ根絶プログラムに従い、全34県で1,330万人の5歳未満の子どもに予防接種を行うことを目指しています。これによって、野生株およびワクチン由来のポリオウイルスの感染を止めるための十分な集団免疫が確立される予定です。
日本政府は、アフガニスタンにおけるUNICEFの主要なパートナーとして、さまざまなワクチンの調達支援、コールドチェーンシステムの強化、技術支援を通じて、この地域の予防接種プログラムの向上に寄与してきました。この新たな資金協力は、特に来年にかけて懸念されるワクチン供給の不足を補い、最も支援が届いていない地域に質の高い予防接種を提供するための重要な鍵となります。
日本の国民からの継続的な支援に感謝しつつ、アフガニスタンの未来を担う子どもたちのために、今後とも努力を続けたいと考えています。これからも、子どもたちの権利と健やかな成長を支援するための様々な取り組みが必要です。国連児童基金UNICEFは、これらの活動を世界各国で推進しており、特に困難な立場にある子どもたちへの支援を強化していきます。