深澤直人が創り出す美の世界
静岡県熱海市にあるMOA美術館では、2022年10月28日から12月11日まで、「HOMO FABER 12 Stone Garden 深澤直人と12人の人間国宝」という特別展が開催されています。この展覧会は、著名なプロダクトデザイナーであり、日本民藝館館長を務める深澤直人氏が企画したもので、日本の工芸技術の極みともいえる12人の人間国宝とのコラボレーションによって成り立っています。
展覧会の目的は、豊かな日本の文化と美の象徴である人間国宝の作品を紹介し、それを深澤氏の独自の視点で再解釈することです。また、後援には読売新聞社が付き、多くの人々にその魅力を伝える機会となっています。
深澤直人のプロフィール
深澤直人氏は1956年に山梨県で生まれ、1980年には多摩美術大学プロダクトデザイン学科を卒業。シリコンバレーでのデザイン経験を経て1996年に帰国し、2003年には自身のデザイン事務所NAOTO FUKASAWA DESIGNを設立しました。彼のデザインは国際的にも高く評価されています。
展示作品のラインナップ
展覧会では、以下の12人の人間国宝から選ばれた作品が展示されています。これらの作品は、それぞれの伝統工芸の技術と美しさを示しています。
1.
伊勢﨑淳 - 重要無形文化財「備前焼」保持者
- 角花生(2020年)
2.
十四代今泉今右衛門 - 重要無形文化財「色絵磁器」保持者
- 色絵薄墨墨はじき時計草文鉢(2007年)
3.
福島善三 - 重要無形文化財「小石原焼」保持者
- 中野月白瓷深鉢(2013年)
4.
森口邦彦 - 重要無形文化財「友禅」保持者
- 友禅着物「雪舞」(2016年)
5.
佐々木苑子 - 重要無形文化財「紬織」保持者
- 紬織絵絣着物「翠影」(2018年)
6.
北村武資 - 重要無形文化財「羅」「経錦」保持者
- 透文羅瀧川(2015年)
7.
室瀬和美 - 重要無形文化財「蒔絵」保持者
- 蒔絵螺鈿ハープ「西遊」(2007年)
8.
大西勲 - 重要無形文化財「髹漆」保持者
- 曲輪造盛器(2011年)
9.
大角幸枝 - 重要無形文化財「鍛金」保持者
- 銀打出花器「荒磯」(2020年)
10.
須田賢司 - 重要無形文化財「木工芸」保持者
- 梻拭漆嵌装箱「銀漢」(2009年)
11.
藤沼昇 - 重要無形文化財「竹工芸」保持者
- 根曲竹花籃「春潮」(2017年)
12.
林駒夫 - 重要無形文化財「桐塑人形」保持者
- 月宮女人(2017年)
これらの作品は、各工芸の持つ個性と深さを感じさせると同時に、深澤直人氏のセンスによって新たな価値が生まれています。展覧会は、会場の特設スペースで設けられたインスタレーションを含み、訪れる人々に深い感動を与えることでしょう。
展覧会の詳細情報
- - 会期: 2022年10月28日(金) – 12月11日(日)
- - 会場: MOA美術館展示室5-6
- - 入館料: 一般 1,600円、高大生 1,000円、中学生以下無料
- - アクセス: JR熱海駅からバスで約7分、MOA美術館行き
- - 公式サイト: MOA美術館
この展覧会は、日本の伝統美を現代に伝える重要な機会です。ぜひ、多くの来場者に体験していただきたいと思います。