Datadogが発表したInternal Developer Portalとは
2025年6月10日、ニューヨークで開催されたDatadogの年次カンファレンス「DASH」において、同社は画期的な技術であるInternal Developer Portal(以下、IDP)を発表しました。この新しいプラットフォームは、エンジニアチームの自律性を高め、迅速なコードのデリバリーを可能にすることを目指しています。
現代のエンジニアは、コードの信頼性とセキュリティを維持しつつ、法規制や社内ポリシーへの遵守を求められています。これに対応するためには、自身のコードが依存するシステムの構成やリアルタイムでの稼働状況を把握することが不可欠ですが、開発環境の複雑化がその負担を増大させています。その結果、開発者はプラットフォームエンジニアに依存する傾向が強まっており、リソースが圧迫されてしまう現状があります。
Datadog IDPの特徴
DatadogのIDPは、変化の激しい環境にも柔軟に適応し、エンジニアが自律的にソフトウェアを本番環境に展開できるように設計されています。これにより、従来の手作業によるメンテナンスが必要な静的なポータルからの脱却が図られるのです。具体的には、同社のAPM製品群を基盤とし、サービスとその依存関係を自動でマッピングします。このアプローチによって、エンジニアはリアルタイムのパフォーマンスデータやオーナー情報、エンジニアリングに関する知見を一元的に把握することができ、必要な情報へ迅速にアクセスできるようになります。
セルフサービス機能の促進
IDPによって提供されるセルフサービス機能は、エンジニアが自らのペースでソフトウェアの設計からデリバリーまでを行える環境を整えます。これにはDatadogのApp BuilderやWorkflow Automationを活用したテンプレートがあり、開発者は社内の要件を満たしつつ、迅速に新しいサービスの初期構成を進めたり、障害対応を自動化することができるのです。
スコアカードと可視化
プラットフォームエンジニアやエンジニアマネージャー向けには、サービスやチーム単位での信頼性やセキュリティ、オブザーバビリティのスコアカードが提供されます。このスコアカードにより、組織全体の品質を一元的に把握し、持続的な改善が進められます。また、エンジニアリングレポートを用いて、開発の安定性やリリースの頻度、技術基準への適合状況を即座に可視化し、各チームの行動に役立つインサイトを得ることができます。
効果的なインシデント対応
IDPの大きな利点のひとつが、インシデント対応のスピードを高める能力です。統合されたエンジニアリングのナレッジベースがリアルタイムで各インシデント対応プロセスに組み込まれることで、初動対応が迅速になり、判断精度が向上します。また、スムーズな関係者間の連携も実現され、インシデント対応全体の効率が改善されます。
まとめ
最後に、DatadogのIDPは開発者同士や運用チームとのコラボレーションを促進し、基準を満たすソフトウェアを期待されるスピードでリリースするための強力なツールです。アプリケーション開発の効率を向上させるために、Datadog IDPがどのように貢献できるか、今後の展開から目が離せません。
詳しい情報は、Datadogの公式ウェブサイトを訪れてみてください。