NZ流の子牛育成法
2021-04-30 17:30:01
ニュージーランド流の持続可能な子牛育成法とは?セミナーレポート
はじめに
最近、人気を集めるテーマの一つが持続可能な農業ですが、その中でもニュージーランドの酪農が非常に注目されています。ファームエイジ株式会社が主催したWEBセミナーでは、NZの酪農家ダンカン氏による子牛育成の管理法が語られました。彼の牧場では少人数でも大きな収益を上げる秘密とは何か、セミナーで得た知見をまとめます。
ニュージーランド酪農の特徴
ダンカン氏は、オークランドからおおよそ100kmほど離れた丘陵地帯にある酪農牧場の経営者です。彼の牧場には搾乳牛500頭と135頭の子牛がいて、従業員はわずか3名。日本では子牛の死亡率が約5%と言われる中、どのようにしてこの成功を実現しているのでしょうか。
ダンカン氏の経営戦略は「ロウインプット」の考え方に基づいています。これは、最低限のコストで最大限の収益を生み出す手法です。また、彼はNZ最大の酪農家指導機関であるDairy NZのコンサルタントも担当しており、その経験を活かして効率的なシステムを構築しています。
子牛育成の管理法
管理ポイント
1. 季節分娩を活用: 分娩の時期を統一することで、育成期の管理が容易になり、効率的な飼養が実現します。
2. 衛生管理を徹底: 健康な子牛を育成するためには、清潔な環境が不可欠です。外で放牧させることで、自然と衛生管理も行えます。
3. 初乳給与の重要性: 初乳は子牛の健康を大きく左右します。しっかりと給与を行うことで、免疫力を高めることができます。
4. ルーメンの発達を促進: 子牛の消化器系を成長させるために、適切な飼料を与えることが重要です。
5. 体重測定による管理: 定期的に体重を測定し、成長を数値で把握することが必要です。
参加者の声
北海道の吉川氏と高原氏もそれぞれの立場から子牛育成について意見を交わしました。吉川氏は、哺乳方法としてハンギングミルクを利用し、効率的な哺乳ができるよう工夫しています。また、高原氏は放牧を取り入れ、子牛が自然に近い環境で育つことを考慮しています。
両氏の発表を通じて、参加者から様々な質問が寄せられました。特にNZの離乳時期や死亡率、放牧地の管理方法については多くの関心が集まりました。それに対し、ダンカン氏は特にデータ管理の重要性を強調しました。
データ管理の重要性
ダンカン氏の言葉を借りれば、酪農の成功にはデータが欠かせません。「体重計を用いた体重測定は、経営の質を大きく左右する。」と述べ、正確なデータの蓄積が経営判断に繋がると語りました。また、日本でもデータ利用を進める必要があると彼は強調します。
まとめ
セミナーを通じて、NZから学べる子牛育成の管理法や経営のヒントが多く見受けられました。特に、効率的な飼料管理や体重データの活用は、日本の酪農にも応用可能なノウハウです。次回のセミナーでは、さらなる実践のための事例が紹介されることでしょう。今後の展開が期待されます。
次回の予定
次回は2021年6月に開催予定です。詳細が決まり次第、HPやSNSでお知らせします。興味のある方はぜひ、ご参加をお待ちしています。
会社情報
- 会社名
-
ファームエイジ株式会社
- 住所
- 北海道石狩郡当別町金沢
- 電話番号
-
0133-22-3060