Spiberがタイに世界最大の構造タンパク質プラントを建設へ

Spiberがタイに進出、世界最大のプラントを建設決定



Spiber株式会社は、海外に初の拠点を持つことが決定し、タイに世界最大規模の構造タンパク質の発酵生産プラントを建設することを発表しました。このプラントは、山形県鶴岡市にある既存の発酵パイロットプラントの約100倍の規模を持つ予定です。年間数百トン規模の生産を見込んでおり、発酵・精製プロセスに必要な技術の開発を行う拠点としても機能します。

建設は2019年中頃から着工され、2021年から商業生産が開始されることを目指しています。生産されたタンパク質は、鶴岡市にある本社内の紡糸設備で繊維として加工される予定で、これに伴いその拡張や増設も進められる計画です。

タイ国の選定理由



タイ国は、発酵の原料となるバイオマス資源が豊富で、アパレルや自動車産業が集積しています。政府が持続可能な開発目標の早期実現に向けて積極的に取り組んでいることも、タイを新たな拠点として選ぶ一因となりました。Spiberは、この地で持続可能な社会を構築し、地球規模の課題解決に向けて取り組む姿勢を示しています。

計画の詳細



タイでの量産体制構築に先駆け、様々な施策や商品展開も準備中であり、年末を目処に公式ウェブサイトなどを通じて発表する予定です。本プラントの完成により、より大量かつ効率的に構造タンパク質を生産することが可能となり、競争力の向上が期待されます。

Spiberについて



Spiber株式会社は、2007年に設立されたスタートアップで、主に次世代のバイオ素材の開発を手がけています。特に、クモ糸人工合成の研究により、タンパク質由来の新素材「QMONOS®」を開発し、量産技術の確立にも成功しています。この新素材は、繊維としての応用の他、樹脂やフィルム、ゲルなど多岐にわたる加工が可能で、さらなる産業利用が期待されています。

人工構造タンパク質の特性



構造タンパク質は、生命体を構成する重要な材料であり、様々な機能や特性を持っています。Spiberが開発する人工構造タンパク質は、微生物によって発酵プロセスで生産され、ほぼ無限の組み合わせから目的に応じたデザインが可能です。この素材は、アパレル分野におけるマイクロプラスチックや動物由来素材の使用を削減し、持続可能な開発にも寄与することが期待されています。

未来に向けて



Spiberのタイ進出は、持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩です。同社は、グローバルな生産拠点の整備を進め、持続可能なバイオ素材の普及に寄与していくことで、環境への負担を軽減しつつ新たな産業の創出を目指します。これからの動きに大いに期待が寄せられています。

会社情報

会社名
Spiber株式会社
住所
山形県鶴岡市覚岸寺字水上234-1
電話番号
0235-25-3907

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