奈良市の新たな一歩:生成AIチャットボットの試験運用
令和7年8月7日、奈良市は市民や観光客からの問い合わせ対応の利便性を高めるため、生成AIを活用したチャットボットの試験運用を開始しました。このシステムは奈良市の公式ホームページ上で運用され、24時間365日体制での対応が可能になります。これにより、住民サービスが向上すると同時に、職員はより複雑で高度な業務に集中できる環境が整います。
AIチャットボットとは?
生成AIを活用したチャットボットは、質問に対して会話形式で応答するシステムです。このAIは奈良市公式ホームページなどの指定された情報を参照し、質問に対して関連性の高いデータをもとに自動的に文章を生成します。試験運用にあたっては、株式会社センキョが開発した「GOV AI」を搭載したチャットボットを利用し、奈良市の情報を学習させています。
使い方と対応機能
このチャットボットは、奈良市公式ホームページの右下に表示されるロボットのアイコンをクリックすることで起動します。利用は非常に簡単で、利用者は「質問を開始する」ボタンを選択し、質問を入力するだけです。また、音声で質問をすることも可能で、マイクアイコンを利用して音声入力ができます。
利用開始時期は令和7年8月7日で、対応時間は24時間365日です(メンテナンス時間を除く)。訪問者は、生成された回答内容や関連情報を手軽に確認できます。
多言語対応と観光情報
このチャットボットは多言語に対応しているため、国内外の観光客も利用しやすくなっています。観光情報として、地域のイベント、交通手段、歴史に関する質問にも対応可能であり、奈良市の魅力を多様なユーザーに伝えることが期待されます。
問い合わせサービスの進化
奈良市は以前から市役所本庁舎の1階において「AI&リモート総合案内」を導入しており、タッチパネル式デジタルサイネージを使って簡単な問合せに応じていました。しかし、今回の生成AIチャットボットの導入は、従来のシナリオベースのチャットボットとは異なり、職員が予め作成した回答パターンに依存しないため、よりリアルタイムで最新の情報を反映した対応が可能となります。
これは、市民から寄せられる定常的な問い合わせの効率的な処理を実現し、職員の業務負担の軽減につながるでしょう。また、生成AIが学習を重ねることで、今後さらに精度の高い回答が期待されます。
まとめ
奈良市が導入する生成AIチャットボットは、市民や観光客の利便性を飛躍的に向上させる取り組みです。市の最新情報をリアルタイムで提供し、職員の労力を軽減しつつ地域サービスの質を高めることが期待されています。この試験運用を通じて、奈良市はより良い住民サービスの提供に向けた重要な一歩を踏み出しました。