はじめに
新型コロナウイルスの影響を経て、エッセンシャルワーカーとしての存在が再評価される中、特にドライバー職への需要がますます高まっています。運送や物流の役割を担うドライバーは、景気の変動に左右されづらく、安定した職業として知られています。株式会社プレックスが実施した調査によると、1,620名の転職者の中でも特にドライバー職を選んだ278名に、その理由を伺いました。
転職の理由
調査によると、約30%の人々が「給与・待遇」を第一の転職理由に挙げています。収入の増加を望む声や、生活の安定を求めるニーズが顕著です。コロナ禍におけるネット通販の増加と、タクシー業界の回復が影響し、「ドライバー=稼げる職種」という認識が広がったことが背景にあると考えられます。
特に注目したい点は、ドライバー職に転職した人々の多くが、「歩合制の導入により、頑張った分だけ収入が増える」ことに満足しているということです。
また、労働環境や会社の将来に対する不安も、転職を考える決め手になっています。実際に「企業の経営が悪化している」と感じる転職者が多く、より安定した職場環境を求めるニーズも強いことが分かりました。
入社の決め手
次第に、ドライバー職を選ぶ際の決定要因として、「給与明確さ」と「良好な人間関係」が重要視されています。多くの回答者が、給与体系の透明性や、実際の収入予測が明確であることを重視。また、営業所の雰囲気や社員の接し方が決め手になることも多く、職場の人間関係の良さが働きやすさにつながることも視野に入れているようです。
実際、入社後の満足度調査でも、「職場の雰囲気」や「人間関係」に対する評価が高く、ドライバーであっても‘‘一人で働く’’環境の中でのストレスが少ないことが入社を決めた理由に影響を与えています。
働き方の多様化
ドライバー職は、その勤務形態が非常に多様化しています。例えば、タクシー業界では隔日勤務や自由シフトの導入が進められ、プライベートとの両立が可能な働き方を選択できるといった特徴が魅力とされています。また、育児や介護を抱える人々にとって、柔軟な勤務時間が大きな要素となっているのです。
特に、前職で体力的な負担を感じていた人々にとって、ドライバー職は身体への負担が少ない選択肢として選ばれています。自身の健康状態やライフスタイルを考慮し、転職を決める人が増えています。
まとめ
エッセンシャルワーカーとしてのドライバー職は、その需要が今後さらに高まると予想されます。転職者は「今の職場を嫌だから」という受動的な理由だけでなく、自分の収入や働き方を見直して積極的に求人を探す姿勢がみられます。企業側は、歩合制度や福利厚生の明確化、職場の雰囲気の良さを伝えることが、転職者を惹きつける鍵となるでしょう。次回の調査では、施工管理・電気設備管理職の転職事情に迫ります。