地域の魅力を感じる新しい結婚式のスタイル、松本市で始動

結婚式を地域とつなぐ新たな試み

新しい結婚式のスタイルが注目を集めています。長野県松本市での取り組み「まちなか待合室」は、結婚式当日の控室を地域の人気カフェで過ごすという新たなアイデアです。この取り組みは、カップルとゲストが地域とのつながりを持ち、結婚式を単なる消費イベントにとどまらせないことを目指しています。

「まちなか待合室」とは？

この新しいサービスは、結婚式の控室という概念を見直し、ゲストが式の前に地域のカフェで自由に時間を過ごす機会を提供します。「まちなか待合室」は、2025年6月14日（土）に初めて実施され、松本市内の人気カフェで利用が可能です。

参加店舗として選ばれたのは、松本市で評判の良い「栞日」、「Hangout coffee」、「aL coffee & bake」の3つ。ゲストは、招待状に記載されたパスワードをIINDAの公式LINEに入力することで、特別なドリンククーポンを受け取ることができます。この方式により、カフェでくつろいでいる間に、下準備をすることができるだけでなく、地域とのつながりを深めることができます。

どうして地域とのつながりが重要なのか？

従来の結婚式場サービスは、一つの場所で式や披露宴が完結できる便利さを求めてきました。しかしその一方で、地域の魅力が見逃されがちになるという側面もあります。結婚式に参加するゲストが式場だけを訪れる場合、地域との接点が限られ、普段の生活から切り離されたような印象を受けることがあるのです。

IINDAは、「祝いが地域の暮らしとつながる社会」を実現するために、結婚式を単なる消費イベントに終わらせるのではなく、地域との新たな接点を生み出すことを目指しています。このような背景から、ゲストが「まちなか待合室」を訪れることで、松本市に深い関心を持つことが期待されています。

体験を通じた地域の再訪が狙い

総務省の調査によると、地域と接点を持った人々の中で41％が年に1回以上その地域に再訪しています。また、和歌山県田辺市での体験プログラムに関する調査では、参加者全員が再訪したという事例も報告されています。IINDAは、「まちなか待合室」の仕組みを通じて、ゲストにとって記憶に残る結婚式を演出し、地域とのつながりを強化することを目指しています。

ゲストが持つ地域の未来

結婚式を経て数年後、招待されたゲストが「この地域の良いカフェを知ってるよ」といった話をする場面が想像されます。その後、別の友人を連れて再訪してくれることは、IINDAが考える人と地域が結ばれる祝福のかたちです。結婚式場の利便性は確かに魅力的ですが、IINDAは、地域を深く知ってもらう新たな選択肢を提供することで、ゲストがリピーターとなるためのきっかけを増やしていきます。