メニコンがインドで近視進行抑制のMOUを締結
名古屋を拠点とする株式会社メニコンが、インドのドクターアガルワルズ・アイ・ホスピタルと連携し、世界中で問題視されている近視進行の抑制に取り組むための基本合意書(MOU)を締結した。この取り組みは、あらゆる要因が影響して近視人口が増加している中で、子どもたちの視力保護を目指すものである。
近視進行の現状と社会的背景
近視は、特に東アジア地域において急速に増加しており、2050年には世界の約半数が近視になるとの予測も出ている。さらに、強度近視になると、様々な眼の病気を引き起こすリスクが高まるため、早期の対策が求められている。メニコンは、この緊急の課題に取り組むため、国際的な協力を重視し、インドでの対策を進める決断を下した。
MOUによる具体的な取り組み
今回の合意書に基づき、メニコンはオルソケラトロジーレンズ『Menicon Bloom Night™』を用いて、インドの子どもたちを対象に臨床試験を行う。オルソケラトロジーは、特殊なハードコンタクトレンズを夜間に装用することで視力を改善する方法で、近視進行抑制に一定の結果を示している。これにより、インド国内での近視治療の普及が期待されている。
この臨床試験は、2025年2月からドクターアガルワルズの研究開発部門によって実施され、近視抑制の効果と安全性が検証される。MOUでは以下の内容が提携されており、より効果的な施策の実施を目指している。
- - インドにおける近視進行抑制の普及
- - オルソケラトロジーに関する臨床試験の実施
- - 専門家と患者が近視進行抑制治療についての理解を深める
- - インド国内及び周辺地域でのコンタクトレンズ事業の拡大
インドの医療環境とメニコンの役割
インドには220以上の病院を持つドクターアガルワルズがあり、700名以上の眼科医が患者に高度な医療サービスを提供している。メニコンの技術と経験が加わることで、さらなる医療サービスの質向上が期待される。この提携は、まだ黎明期にあるインドの近視進行抑制市場において力強いインパクトを与えるだろう。
メニコンの理念と今後の展望
メニコンは1951年、初の角膜コンタクトレンズを開発し、視力の提供を通じて社会に貢献することを信念としている。そして、最近では世界80カ国以上に事業を展開し、瞳の健康を最優先に考えた製品開発を行っている。インドでの新たな試みも、その理念に基づいたものだ。
今後もメニコンは、近視進行の解決策を模索し続け、この分野でのリーダーシップを発揮することを狙っている。インドを中心とした地域での活動の結果が、他国にも広がり、グローバルな視力健康へとつながることを期待している。