資格試験指導の新たな潮流：オンラインと個別指導の二極化

資格試験指導の新たな潮流: オンラインと個別指導の二極化

近年、資格試験の指導方法が変わりつつあります。従来の教室での授業スタイルから、オンラインでの学習や個別指導が増えてきており、この動向は今後さらに加速していくことでしょう。

時代の変化と学習スタイル

2014年に、代々木ゼミナールが全国の校舎の約74％を閉鎖する決定を下したことは記憶に新しいです。この背景には、学習スタイルの変化があると言えます。インターネットが普及し、スマートフォンなどのデバイスで簡単に学べる環境が整ったことから、伝統的な教室形式の学習が少なくなってきました。これにより、オンライン授業や個別指導が台頭し、受験指導の二極化が進行中です。

特にEラーニング技術の進化は目覚ましく、著名な講師の授業を24時間いつでも受講できるようになりました。この使い勝手の良さが、従来の大教室形式のニーズを減少させています。

アガルートアカデミーの成功事例

この二極化の中で、アガルートアカデミーは特に注目を集めています。2015年1月に設立されたこのオンライン専門の資格試験予備校は、大手資格試験予備校で名を馳せた工藤北斗氏によって設立されました。アガルートは、校舎を持たず全ての業務をインターネット上で完結させることで、受講料を大幅に抑えることに成功しました。

開校からわずか1年で2700人以上の会員を集めるという急成長を遂げた理由は、運営コストを抑えつつ、品質を維持したサービス提供にあります。一般的な予備校の半額程度で受講が可能なため、多くの受験生から支持されています。

個別指導の拡充

また、アガルートアカデミーは、司法試験や行政書士試験に特化した個別指導も展開しています。受講生一人ひとりの学力や習熟度に応じたカスタマイズされた学習プランを提供し、効果的な学習ができる環境を整えています。受講生は、自分のスケジュールに合わせて指導を受けることができるため、特に社会人や時間が限られる学生にとっては魅力的な選択肢となっています。

受験生のニーズの多様化

工藤氏は、「今までの資格試験教育は講義中心でしたが、受講生の中には講義についていけない人もいます。逆に、よりハイレベルな講義を求める受験生もいます。こうしたニーズに応じて、個別指導が必要だと感じています」と語っています。このような個別指導の需要は、リリース直後から多くの問い合わせが集まり、すぐに定員に達するほどでした。

今後の展望

このように、オンラインと個別指導の二極化は資格試験においても明らかになってきています。工藤氏は「個別指導が不要な受験生はオンライン講義を通じて安価に学べる一方、必要な受験生には手厚いサービスが提供される。これは全ての受験生に利点がある」と述べ、今後この流れが更に加速することを示唆しています。

受験生のニーズの多様化とIT技術の進化が相まって、今後も資格試験の指導スタイルは変わっていくでしょう。求められる教育の姿がどう変わるのか、目が離せません。