食品工場の排水処理に革新！酵素循環式システムの実証テスト開始

食品工場向けの新たな試み

近年、持続可能な社会の実現が求められる中、さまざまな取り組みが進められています。その中で、食品工場における排水処理の改善は重要な課題です。NTTビジネスソリューションズ株式会社（以下、NTTビジネスソリューションズ）は、食品工場からの排水処理の質を向上させ、さらには汚泥の削減を目指した酵素循環式排水処理システムの導入効果を検証するため、株式会社Mizkan（以下、ミツカン）との共同実証テストを行うことを発表しました。この実証テストは、2025年11月9日から2026年1月中旬までの予定で、ミツカンの美濃加茂工場で実施されます。

背景にある課題

地球温暖化や環境問題が深刻化する中、食品業界では環境保全に向けた取り組みが急務となっています。特に、排水処理に伴う汚泥の発生は、企業にとって大きな課題です。NTTビジネスソリューションズは、これまでの資源循環モデルの推進に加え、具体的な排水処理のコスト削減を求め、実証テストを行う運びとなりました。ミツカンも、廃棄コストの削減や多様な排水水質に対応する処理方法の改良に取り組んでおり、両社が協力することで新たな解決策を見出す狙いがあります。

実証テストの内容

実証テストでは、従来の活性汚泥法と酵素活性化法を用いた2系統の小型テスト機を使い、排水の処理効果を測定します。特徴的なのは、既存設備からの直接排水と浮上分離装置を経由した排水の二種類を比較し、処理能力や汚泥削減率を評価する点です。

特に、測定する項目には、浮遊物質の除去効果やpH調整力、臭気の有無が含まれています。これにより、酵素活性化法が従来法に比べて有効かどうかを明확に検証することができます。

NTTビジネスソリューションズは、実験のプランニングや成果報告書の作成を行い、ミツカンはデータ収集と状態確認を担当します。この相互協力によってより具体的なデータが得られ、効果が評価されます。

今後の展開

成功裏に実証テストが完了すれば、集めたデータをもとに、酵素活性化法の有効性を確認し、コスト削減につながる可能性も見えてきます。また、NTTビジネスソリューションズは、今後さらなる技術開発に取り組む意向を示しており、ICT技術を活用した設備の遠隔管理やエネルギー量最適化に関する企画設計も進めていく予定です。これにより、持続可能な社会への貢献を果たすことが期待されています。